2020年9月4日

新興国投資こそインデックスファンドを活用―「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」の信託報酬が引き下げ



すでに多くの投信ブロガーさんが報告していますが、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」の信託報酬が9月25日から引き下げられます。

業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施(三菱UFJ国際投信)

「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」は、私自身もいま積立投資している商品なので、今回の信託報酬引き下げは非常に嬉しい。新興国に投資するファンドはどうしてもコストが高くなりやすいので、これに極めて低コストで投資できるインデックスファンドの存在価値は極めて大きい。これは何度も指摘していることですが、新興国への投資こそ低コストなインデックスファンドを活用するメリットが大きいのです。

今回のコスト引き下げで「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」の信託報酬は税抜0.17%以内となります。これによりSBIアセットマネジメントの「SBI・新興国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(新興国株式)」と信託報酬がカテゴリー最安値に並びます。じつは“コロナ・ショック”の暴落の際に、含み益がなくなったことを生かして保有していた古い新興国株式インデックスファンドは全て売却し、「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」にスイッチングしていました。このためそれなりの金額を保有してるので、わずかでも信託報酬が引き下げれれるだけでも非常に大きなコスト削減効果があります。受益者としてありがたい限りです。

ここ数年、インデックスファンドの低コスト化が急速に進みましたが、新興国株式インデックスファンドの低コスト化というのはとくに意義が大きいといえるかもしれません。新興国への投資というのは、個人投資家レベルでは非常にハードルが高いからです。まず日本や他の先進国ほど情報が透明化されていません。おまけに現地の資本規制もあって、なかなか簡単にマーケットにアクセスしずらいのです。ちなみに私の友人は2000年代初頭にベトナム株に投資していましたが、当時はわざわざ現地に赴いて証券口座を開設する必要があり、売買注文もFAXだったそうです。その上、現地の税制や資本規制の関係でコストも割高になりやすいのです。ところがインデックスファンドを活用すれば、簡単に、しかも極めて低コストで新興国に投資することができます。これは圧倒的なメリットです。

最近は日本株だけでなく米国株も簡単に個別銘柄やETFを購入することができるようになりました。このため米国の個別株に投資する人も増えています。ところが新興国に投資するとなると、米国株のようにはいきません。やはりインデックスファンドを使うというのが現実的な方法です。そう考えると、新興国株式インデックスファンドの低コスト化というのは、新興国投資へのアクセスを改善するという意味で極めて意義が大きいのです。その点でも「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」の信託報酬引き下げというのは、大いに評価できるのです。

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