2019年12月5日

「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」が信託報酬を引き下げ―資産カテゴリー最安値の座を守る



三菱UFJ国際投信が超低コストインデックスファンド「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の信託報酬を12月27日から引き下げると発表しました。

業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施(三菱UFJ国際投信)

SBIアセットマネジメントの「SBI・先進国株式インデックス・ファンド/愛称:雪だるま(先進国株式)」の信託報酬引き下げに対抗したものだと考えられます。“資産カテゴリー最安値”の座を守ろうという「eMAXIS Slim」の意気込みには毎度、ものすごい迫力を感じます。

今回の引き下げで「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の信託報酬は税抜0.0965%以内となります(引き下げ前は税抜0.0999%以内)。これにより「SBI・先進国株式インデックス・ファンド/愛称:雪だるま(先進国株式)」の実質的な信託報酬負担(ファンドの信託報酬+投資対象ETFの信託報酬)と並ぶことになります。

「SBI・先進国株式インデックス・ファンド/愛称:雪だるま(先進国株式)」は海外ETFに投資するファンド・オブ・ETFsですから、現物運用の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」とは運用方式が異なります。ベンチマークも「SBI・先進国株式インデックス・ファンド/愛称:雪だるま(先進国株式)」はFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスであるのに対して「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」はMSCIコクサイ・インデックス。このためポートフォリオの中身が微妙に異なり、本来なら直接比較できないファンド同士です。

さすがにこれだけ低コスト競争が進むと、もはや競合ファンド間のコスト差は誤差のレベルともいえます。その上、運用方式やベンチマークも異なるにもかかわらず「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」が対抗値下げに踏み切ったところに、運用方針やベンチマークの違いよりも“先進国株式”という資産カテゴリーにおいてコスト最低水準の座を守ろうとする並々ならぬ意気込みを感じました。

やはり引き続き「eMAXIS Slim」シリーズはインデックスファンドの低コスト競争における主役のひとつであり続けるであろうことを確信させるような動きでした。同時に、他の競合ファンドが今後どのように動くのかも非常に気になるところ。インデックスファンドの低コスト競争は、まだまだ続くことになりそうです。

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