2019年10月1日

消費税引き上げでも駆け込み購入はしなかった



ついに10月1日から消費税が10%に引き上げられました。「なんだかな~」と思ってしまいます。庶民にとってはますます世知辛い世の中になりました。これで消費が冷え込んだら景気への悪影響も避けられませんから、投資家としても気が気でなりません。そんな中、消費引き上げ前には大型耐久財や生活必需品を中心に駆け込み購入もあったようです。庶民の生活防衛術といったところでしょうか。ただ、むやみやたらに駆け込み購入するというのは、かえって損な場合も。こういう時こそ落ち着いて、賢い買い物をしたいものです。私自身、今回はとくに駆け込み購入はしませんでした。

消費税が引き上げられる際には直前に駆け込み購入があるですが、新聞報道によると今回は比較的冷静な消費者が多かったようです。

増税目前でも…家電や洗剤の駆け込み購入「前回より冷静」(サンケイビズ)

大型家電やAV機器など高額商品の販売は増加しているものの、前回の5%から8%への引き上げの際と比べるとおとなしかったようです。一方でトイレットペーパーや洗剤など生活必需品はまとめ買いが増えているそうです。そうなると全体では金額ベースでそれほど激しい駆け込み購入は起こっていないということになりそうです。

私自身もとくに駆け込みで物を購入するということはありませんでした。というのも過去の経験上、駆け込み購入にそれほどメリットがなかったケースが少なくなかったからです。一般的に増税前の駆け込み購入で特需が発生すると、増税後には必ず反動で販売の減少が起こります。単純な需給バランスの問題なのですが、小売業というのは前月比、前年同月比の数字を念頭に販売戦略を立てますから、たとえ駆け込み需要の反動によるものでも、数字が悪化すれば必ず販売にテコ入れするものです。

つまり、増税後の販売減で一時的に需給バランスが失調すると、営業政策上のカンフル剤として値下げが行われたりします。結果的に増税後の方が物が安くなる場合も。とくに低価格品はこの傾向が強いです。しかも今回の増税はキャッシュレス決済による還元もあるので、やはり無理に駆け込み購入するよりも、落ち着いて本当に必要な物だけ買った方がいいというのが私の判断。節約しようと思って結果的に無駄遣いしていては意味がありませんから。

もちろん、増税前に買っておいた方がいい商品もあります。値下げがない商品です。例えば定期券。これはサラリーマンの常識です。勤務先の制度によっては交通費支給日との期ズレを利用して小銭を稼ぐこともできます(セコイ話ですいません)。あとは海外の高級ブランド品。これらブランドは増税だけでなく円安などいろいろと理由をつけて便乗値上げするところが多い。そのくせ円高になってもあまり値下げしません。じつに狡猾です。

結局のところ、増税を期に、本当に自分にとってそのものが必要なのかどうかを吟味する賢さが求められるということです。節約することが偉いのではなく、自分にとって“正しい買い物”とは何かを見極めることがますます重要になると言えるでしょう。

ちなみに2014年の消費税率引き上げの際には、私は駆け込みでオメガのスピードマスターを買いました。「駆け込み購入はしない」と言いながらも、ときには発作的に高額商品を買ってしまうが私の悲しい性なのです。

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