2019年7月22日

受益者軽視の姿勢にあきれました―「iTrust世界株式」の2019年6月の運用成績



サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2019年6月次運用報告が出ました。これまで定例ウオッチを続けてきたのですが、残念ながら今回で最後となります。なぜか6月次の運用報告書から、これまで参考指数として記載されていたMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率が不記載となったからです。情報発信に関するひどい改悪であり、受益者軽視の姿勢にあきれました。「iTrust世界株式」はアクティブファンドでも比較的低コストであり、なにより受益者に対する充実した情報発信を評価して積立購入も続けてきましたが、今回のような受益者軽視の姿勢では、とても追加購入する気になれません。これを機会に積立購入を止めることを検討します。

「iTrust世界株式」の6月の騰落率は+4.31%でした。残念ながら参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率が不記載なので運用成績の良し悪しを評価できません。別の情報源から参考指数の騰落率を引っ張ってくることもできるのですが、そんな手間暇を受益者が負わなければならないというのは非常にバカバカしいのでやりません。このため残念ながら定例ウオッチも今回で終了です。

それにしても、こんなひどい改悪を実施するピクテ投信投資顧問の姿勢が解せません。しかも「iTrust世界株式」は第1期決算こそ参考指数をアンダーパフォームしましたが、第2期、第3期と連続して参考指数をアウトパフォームするなど運用の調子も上がってきたところでした。それなのに、ここにきて参考指数の存在をなかったものにするという姑息な手段に出たことが残念でなりません。

しかも、もともと「iTrust世界株式」は受益者に対して充実した情報提供を行うことをコンセプトとしたファンドです。実際に受益者専用サイト「iInfo」では、じつに充実したレポートやデータ集が配信されており、これは今でも高く評価しています。ところが、それよりも基本的な情報である参考指数の騰落率を記載しないというのは、本末転倒ではないでしょうか。そういう本末転倒なことを平気でやる姿勢が受益者軽視だというのです。

とりあえず近々、ピクテ投信投資顧問には今回の月次運用報告書の記載内容改悪について問い合わせる予定です。そこで誠実な回答が得られない場合は、「iTrust世界株式」の追加購入を止めます。アクティブファンドへの投資を止める理由は人それぞれですが、私の場合は運用成績が悪いからといってすぐに止めたりはしません。そのかわり、ファンドと運用会社の受益者に対する姿勢が信頼できないと判断した場合、いつでも購入を止め、場合によっては売却します。アクティブファンドへの投資というのは、“儲かる、儲からない”よりも、ファンドを“信じることができるか”の方が重要だからです。

【追記】
この記事に対してピクテ投信投資顧問から丁寧な経緯説明とお詫びのメールをいただきました。そのことを紹介した記事を参照ください。

ピクテからお詫びのメールが届きました―「iTrust世界株式」の月報に参考指数の記載が復活

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