サイト内検索
2018年11月27日

いま含み益を持っているのは含み損を乗り越えてきた人たち―今月の積立投資(2018年11月特定口座)



あいかわらず世界的に不安定な株式相場が続いています。こういうときは、どうしても投資に対していろいろな邪念が生じやすく、思わぬ墓穴を掘ったりするケースも少なくありません。その点で機械的に実行できる積立投資というのは、常にポジションをニュートラルに保てるところに利点があります。今月も淡々と積立投資を実行しました。最近の株価下落で、今年から積立投資を始めた人の多くが含み損状態となっていると思いますが、ここが我慢のしどころです。実際に現在でもタップリと含み益を持っているのは、ほぼ全員が含み損を乗り越えてきた人たちなのですから。

今月買付けたファンドは以下の通りです。あいかわらず特に変化はありません。

【特定口座(SBI証券)】
「ニッセイ日経225インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.25% 信託財産留保額:なし)
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.109% 信託財産留保額:なし)
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」
(信託報酬:税抜0.189% 信託財産留保額:なし)
「Funds-i新興国債券・為替ヘッジ型」
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)
「世界経済インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.1%)
「iTrust世界株式」
(信託報酬:税抜0.89% 信託財産留保額:なし)

さて、ここしばらくの世界的な株価下落で、日本株も海外株も年初からの上げをほとんど吐き出してしまいました。このため「つみたてNISA」などを通じて今年からインデックスファンドの積立投資を始めた人などは、ほとんどの商品が含み損状態となっていると思います。これは私も経験したことですが、積み立てを開始するまでは楽観的に考えていたものの、いざ本当に含み損状態になると、はたして積立投資という手法が本当に正しいのか疑心暗鬼になったりもします。

一方、何年も前から積立投資している先輩インデックス投資家の多くは、おそらくまだ含み益がタップリとある状態の人が多いでしょう(じつは私もその1人です)。これが非常に重要なポイントなのです。先輩インデックス投資家は、なぜまだ含み益がタップリとあるのか。それは、過去にかなり長い期間にわたって含み損状態となりながらも、それに耐えて積み立てを続けることで低迷相場を乗り切ってきたからにほかなりません。

積立投資というのはじつに不思議な投資手法で、長期的に株価が横ばいでもボラティリティがあれば利益が出るケースがあります。それは、ドルコスト平均法によって株価が低迷しているときに、結果的にたっぷりと買い込むことになるからです。言い換えると、含み損状態に耐えて資金投入を続けることがリターンのエンジンとなるということ。ですから、いまタップリと含み益を持っている積立投資家というのは、ほぼ間違いなく長い含み損期間を乗り越えてきた人たちなのです。

そう考えれば、いま含み損状態になっているというのは、積立投資にとっては将来のリターンの源泉かもしれない。そして結果が出るのは、最低でも3~5年後だというのが個人的な印象です。やはり積立投資の効果というのを実感するには、最低でも3~5年は積み立てを継続することが必要でしょう。だから、いま含み損状態になっている積立投資初心者も決して悲観的にならないでほしい。含み損というのは積立投資家全員が必ずたどる道なのです。ぜひあきらめずに頑張ってほしいと思う。

ちなみに、どれくらい含み損期間が続くのかという点に関しては、水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせて増やしなさい』を読んでみるといいでしょう。とくに第5章「涙と苦労のインデックス投資家15年実践記」が必見。呆れるほど長期間にわたって含み損状態に耐えています。しかし、これこそが積立投資の神髄なのです。



【ご参考】
積み立て投資についての入門書としては、カン・チュンドさんの『忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』と星野泰平さんの『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』も参考になります。ぜひ参照してみてください。

関連コンテンツ