2018年2月8日

大型株シフトが鮮明に―ひふみ投信の2018年1月の運用成績



サテライトポートフォリオの一部として積み立て投資している「ひふみ投信」の2018年1月次運用報告が出たので定例ウオッチです。2018年1月の「ひふみ投信」の騰落率は+2.2%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+1.1%でした。2018年も参考指数を大幅にアウトパフォームしてのスタートとなります。純資産残高は1月31日段階で1328億円(前月は1199億円)、受益権総口数は25,080,430,511口(前月は23,121,778,560口)でした。ひふみマザーファンドの純資産残高も6798億円(前月は5829億円)となり、あいかわらず順調にファンドが成長しています。ただ、ポートフォリオの中身を見えると様子が急激に変わっていることに驚きました。大型株へのシフトが鮮明です。

世界的にゴルディロックス相場(適温相場)が続くとの見通しから株価は昨年末より上昇を続けました。ところが予想以上に米国経済の勢いが強く、それがかえって金融緩和の出口が意識させたことなどで1月後半から市場の空気が微妙に変化しています。このため月中から月末にかけては株価は下落基調。米国の長期金利上昇も株価に影を落とし始めることになります(そして、この懸念は2月5~6日に暴落という形で現実のものとなります)。

こうした中、ひふみ投信はポートフォリオを大胆に組み替えてきました。最高運用責任者である藤野英人さんは「過熱感がある中小型株の比率を大幅に落とし」、大型株を積極的に組み込む戦略に舵を切りました。実際に1月末段階での組入上位銘柄を見るとAmazon、Microsoftが1位と2位になり、以下は三井物産、SGホールディングス、東京センチュリー、ソニー、三菱商事、TDK、住友金属鉱山、光通信と大型株が並びます。ちなみに10位に光通信が入っているのを見てちょっと考えてしまいました。藤野さん、あいかわらずこの会社が好きですね。

長期金利の上昇は、借入金が大きく収益性の弱い企業にとっては大きな打撃となります。このため今後は銘柄の見極めがとても重要になる。さっそく2月早々に日米ともに暴落があり、ひふみ投信も基準価額を大幅に下落させました。依然として相場の方向性が見えない状況となっていますから、難しい局面が続きそうです。それは逆に言うと、アクティブファンドとしての腕の見せ所でもある。大胆なポートフォリオの組み換え、そして2月に入ってからの暴落という状況の中でどれだけ機動力を持った運用ができるのか。受益者の1人として、お手並み拝見といった気持ちです。ぜひとも頑張って欲しいと思います。

さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回はSGホールディングス(9143)。佐川急便の持株会社です。これはなかなか目の付けどころが良いと思う。現在、実際のビジネスの現場では物流が大きな問題となっています。インターネットの普及によってよりフラットな流通が求められる一方、現実の物流が一種のボトルネックになっている。このため多くの企業が物流オペレーションに大きな投資を行おうとしています。当然、そこに物流企業の商機があるはず。これは意外と楽しみな銘柄ではないでしょうか。

【ご参考】
ひふみ投信は、銀行や証券会社といった販売会社を通さない直販ファンドです。ネットから無料で口座を開設することができます。⇒ひふみ投信

ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する「ひふみプラス」はSBI証券 、カブドットコム証券、楽天証券、マネックス証券など主要ネット証券や地方銀行などで買うことができます。

また、ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する確定拠出年金専用ファンド「ひふみ年金」がSBI証券とイオン銀行の個人型確定拠出年金(iDeCo)プランでラインアップされています。SBI証券とイオン銀行のiDeCoはともに運営管理手数料が無料であり、低コストインデックスファンドをそろえた商品ラインアップも素晴らしく、iDeCoの選択肢として最有力です。こちらもネットから無料で簡単に資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン

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