2018年1月31日

セキュリティにカネをかけない金融機関は「カス中のカス」



コインチェックによる仮想通貨不正流出事件が相変わらず話題ですが、この件に関してSBIホールディングスの北尾吉孝社長がこのほど開いた2018年3月期第3四半期決算説明会でぶち上げていました。

2018年3月期第3四半期 SBIホールディングス(株)決算説明会(YouTube「SBIChannel」)

あいかわらず「俺が、俺が」の北尾節なのですが、金融機関のセキュリティに対する考え方としては、至極真っ当なのです。

コインチェックでの仮想通貨不正流出事件は、流出した顧客資産に対してコインチェックが日本円で弁済すると発表する一方、他の仮想通貨や日本円の顧客資産がロックされたままという不可解な状態が続いています。そして、なにより驚いたのが今回の事件を惹起したコインチェックのセキュリティ体制の甘さでしょう。流出した仮想通貨「NEM」の財団が推奨していたセキュリティ対応を実装していなかったりと、まったくお話になりません。その一方で昨年末から大々的にテレビCMを流して顧客獲得に多額の資金を投じていたわけですから批判されても仕方がない。

この問題に対して、自身も仮想通貨事業を積極的に推進しているSBIホールディングスの北尾社長が怒り心頭となるのは当然でしょう。北尾社長曰く「(セキュリティなど)システムにもっともおカネをかけないといかんところにカネかけないで、お客さんを集めることだけにおカネを使ってる。こういう輩はカス中のカス」。北尾社長の発言というのはいつも極端なポジショントークばかりなのですが、少なくともこの発言の部分は至極真っ当なことを言っている。やはり顧客資産を預かる金融機関にとって、その安全性というのは役割の一丁目一番地ということです。仮想通貨もこの問題を解決しないことには本格的な普及はないでしょう。

だから今回のコインチェックの問題を他山の石として、すべてのネット証券、ネット銀行、そして対面型証券・銀行も含めて、顧客資産の保全とセキュリティについて意識をさらに高めて欲しいと思います。とくに私たちのような世代にとって、金融機関の利用というのはネットでの接続が基本となるわけですから、情報システム上のセキュリティというのは圧倒的に重要になるのです。

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