2018年1月3日

我がブログ名の由来



先日、Twitterで「投資ブログを書く場合、ブログ名などに特定の商品名を入れると後で困るよ」という話題になりました。確かに人気商品の名前をブログ名に冠すると検索流入の面で有効でしょうが、時代の変化によって人気商品が陳腐化し、ブログを書いている本人すらもブログ名にある商品を買わなくなるという事態が起こります。やっぱりブログ名は大切。きちっとブログのコンセプトを表現したものにしておいた方が無難なのです。そんなわけで今回は私のブログ名「The Arts and Investment Studies」の由来を紹介します。

日本では投資というのもに対する偏見(「投資=ギャンブル」など)も強く、いまだに一般庶民の間で投資についてカジュアルに語ることが難しい状況です。そんな中でも投資について真摯に向き合っている庶民はいるはず。そんな人とブログを通じてコミュニケーションできればというのがこのブログのコンセプトでした。一般庶民にとっての「教養」として投資について語ろうと考え、サブタイトルにも「教養としての国際分散投資の研究と実践」と掲げたのです。

だから「The Arts and Investment Studies」の「arts」は「芸術」ではなく「諸学」すなわち「教養」という意味で使っています。「liberal arts」の「arts」です。ちなみに「studies」という言葉を使っているのは世代的な感性で、私が文学部の学生だった頃は人文学の世界で「~研究」と言わずに「~Studies」とか言うのが流行っていたのです。なんとなく、かっこいいじゃないですか。

それとじつはもうひとつネタ元があります。それが19世紀イギリスの詩人・デザイナー・マルクス主義者であるウィリアム・モリスです。モリスは「生活の芸術化」「芸術の生活化」を目指した運動「Arts and Crafts Movemen」を実践したことで有名。そこで生み出された独自のモダン・デザインは現在でも大人気ですが、その根底には彼の特異な社会主義思想があったことを忘れてはいけません。私は左翼なのでモリスのやったことはとんでもなく凄いことだと常々思っていました。そこでおこがましくも「Arts and Crafts」をもじってブログ名に「Arts and Investment」と入れたわけです。

だから、このブログを通じて考えていることは「現代の教養として投資をとらえること」、そして「投資の生活化」です。教養ある市民の生活に密着した投資のあり方について私なりに考えたことを書いていきたいというのがコンセプトでした。そういう思いを「The Arts and Investment Studies」というブログ名に込めたのです。完全に看板倒れの感がなきにしもあらずですが、今後も少しでもタイトルに相応しい内容を書いていければと考えています。

※冒頭のリンク写真はウィリアム・モリスの代表作のひとつである『ユートピアだより』 (岩波文庫)。空想的社会主義小説の名著であり、近代ファンタジーの嚆矢ともいえる作品ですが、ある意味で元祖アーリーリタイア小説として読むこともできます。

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