2017年7月15日

「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」が登場―新興国株式に投資するなら有力な選択肢に



アウターガイさんはじめ何人もの投信ブロガーさんが既に報告していますが、三菱UFJ国際投信が7月31日に「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」を新規設定します。販売会社は、まずはSBI証券と楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券からとなります。


『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』募集・設定について(三菱UFJ国際投信)

信託報酬は年0.34%以内(税抜)ですから、ETFを除けば新興国株式に投資する投資信託としてコスト最安値に躍り出ました。近年、インデックスファンドの低コスト化が加速していましたが、その中でも新興国株式インデックスファンドは比較的低コスト化が遅れていた分野です。そこに“超”低コストインデックスファンドシリーズである「eMAXIS Slim」が参入した意義は大きい。今後、新興国株式に投資するファンドとして有力な選択肢になると言えるでしょう。

新興国株式インデックスファンドとしては従来、大和証券投資信託委託の「iFree新興国株式インデックス」が信託報酬0.34%(税抜)とコスト最安値でした。ただ、iFree新興国株式インデックスはベンチマークがファンダメンタルインデックスであるFTSE RAFIエマージング・インデックスだったため、オーソドックスな時価総額加重平均インデックスであるMSCIエマージング・マーケット・インデックスとの比較の中で好みが分かれる商品でした。そして、MSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとするインデックスファンドとしてはアセットマネジメントONEの「たわらノーロード新興国株式」が信託報酬0.495%とコスト最安値でした。

今回、MISIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとする「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」が設定されたことで、MSCIエマージング・マーケット・インデックスに投資したい個人投資家にとって新たに最有力な選択肢が登場したことになります。しかも「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」は既存の「eMAXIS新興国株式インデックス」(信託報酬0.6%)と事実上同じファンドです。「eMAXIS新興国株式インデックス」の運用報告書を見ると信託報酬以外に負担するコストが0.2%程度しかかかっていません。同様の安定した運用ができれば「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」も実質コストは0.6%程度となる計算ですから、実に魅力的です。

しかも「eMAXIS Slim」シリーズは純資産の増加に合わせて信託報酬が引き下げられる受益者還元型信託報酬が採用しているので、純資産が500億円を超えるとさらに信託報酬が引き下げられます。もともと「eMAXIS Slim」は“常に業界最安値”のコストにこだわることをコンセプトとしたファンドですから、この競争力は極めて高いと言えるでしょう(「業界最低水準は、俺が決める!」という三菱の強い意志を感じました)。私自身もこれまで「たわらノーロード新興国株式」を積み立て購入していましたが、しばらく様子を見た上で、今後は「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」への乗り換えを検討したいと思います。

ここ数年、インデックスファンドの低コスト化が進みましたが、いよいよその波が新興国株式インデックスファンドにも及びました。新興国への投資は好みの分かれるところなのですが、それは私のように「新興国投資大好き人間」が一定数はいるということを意味します。そういった人にとって新興国の企業に幅広く分散投資するのに信託報酬が0.3%台というのは、すごい時代になったものだと改めて感じます。

もっとも、ETFまで含めれば「上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)」(1681)の信託報酬が0.25%(税抜)ですから、まだまだコスト低下の余地はあるわけです。しかし、ETFと比較して通常の投資信託は少額からの金額買付が可能なこと、分配金の再投資が容易なこと、積立投資ができることなどを踏まえると利便性の面で優位な点もあります。だから、ETFとのコスト差が縮まったことで逆に投資信託の利便性が改めてクローズアップされるという側面もあるのです。

いずれにしても「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」の登場で、新興国株式インデックスファンドの低コスト競争が新たな段階に入ったことは間違いなさそう。個人投資家にとって素晴らしい投資環境がますます整備されていくことは、なんとも幸せなことだと言えるでしょう。
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