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2017年7月21日

銀行の投資商品提案に付き合うのは時間の無駄という悲しい現実



私は金融資産の約半分を無リスク資産で持つようにしているので、銀行の普通預金のほか定期預金も人並みには持っています。よくある話ですが、定期預金の満期が近づくと、最近は必ず銀行から勧誘の電話がかかってくるようになりました。昨日も比較的短期の定期預金を預けている銀行から電話がかかってきました。「お役に立てる商品を提案したいので、お時間いただけますか」というやつです。昔は面白がってホイホイと店舗まで出向いたのですが、最近はサクッと断るようになりました。はっきり言って銀行の投資商品提案に付き合うのは、時間の無駄だからです。

最近の銀行の勧誘は手口がパターン化していて、だいたいは「いつも当行の定期預金をご愛顧いただきありがとうございます。最近は十分な利率もご提供できず、申し訳ありません」というところから話が始まります。そして「ちなみにお預かりしている資金は、何かに使うご予定はおありでしょうか」「もし、当面使う予定のない資金でしたら、ぜひ預金以外にもお客様のお役に立てそうな商品をご用意していますので、ご説明のためのお時間いただけないでしょうか」という話になります。

こうやって銀行から電話がかかってくると、セールスだとは分かっていても「俺もついに銀行から電話がかかってくるようになったぞ」と嬉しくなってしまい、またどんな商品を提案されるのだろうかということにも興味がわきますから、ついホイホイと店舗まで出向いてしまう。ええ、私も昔はそうでした。店舗に入るときは、気分はVIPです(そして、そんな風に感じてしまうところが、悲しいまでに“庶民”なのですが)。

ところが実際に店舗で話を聞くと、だいたいはがっかりする。最近は金融庁の眼も厳しいですから、投資信託などを積極的にプッシュするようなことはありませんが、そのかわりに勧められる商品はだいたいが貯蓄性保険。あんまり興味がわきません。それで、ちょっと欲張ったようなことを言うと、今度は恐る恐る仕組み預金や仕組債を持ってきます。しかし、肝心の仕組みを説明できる銀行員にはお目にかかったことがありませんから、提案のレベルは推して知るべしでしょう。ようするに提案の中身がお粗末なのです。そのあたりの実態は、何度かブログでも紹介しました。

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相談を終えて店舗を後にすると、なんだか時間を無駄に過ごしただけのような気がします。まあ、実際に無駄にしているわけですが。結局、リスク商品を購入するときには、金融機関に薦められるままに購入していはいけないという言い古された悲しい現実に行き着くわけですが、果たしてこれでいいのでしょうか。

確かに投資をするなら自分で勉強することは大事です。でも、全ての人が自力で勉強できるのかと言えば、それは非現実的でしょう。誰だって最初は誰かに相談したいはずです。そういう機能を持つところが日本では実に貧弱。これも日本で投資が一般化しない理由に違いありません。なにより最も信頼できると思われている銀行が、最も情けない提案しかできていないわけですから、病の根は深い。銀行から勧誘の電話がかかってくるたびに、ついついそんなことを考えてしまいます。

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