2017年6月15日

参考指数を4カ月連続アウトパフォームとエンジンがかかってきた―iTrust世界株式の2017年5月の運用成績



サテライトポートフォリオで積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2017年5月次運用報告が出ました。「iTrust世界株式」の5月の騰落率は+3.37%、参考指数であるMSCIワールド・インデックスの騰落率は+1.56%でした。これで4カ月連続で参考指数をアウトパフォームしたことになります。いよいよエンジンがかかってきました。

月報によると5月は米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で1-3月期GDP(国内総生産)の悪化は一時的との認識が示されたことや、フランス大統領選挙の結果を受け欧州の政治に対する安心感が広がったことなどを背景に上昇基調となりました。その後、トランプ米大統領のロシアゲート疑惑などによる不透明感から大きく下げる場面もありましたが、各種経済指標が落ち着いた数字となったことなどから再び上昇する展開となっています。

業種別では「情報技術」や「公益」「生活必需品」などが大きく上昇した一方で、「エネルギー」や「素材」「金融」などは下落しました。「iTrust世界株式」は「情報技術」銘柄の組み入れが多いですから、このセクター戦略が成功し、5月の好成績につながったと言えるでしょう。「生活必需品」も手堅く組み入れていることも奏功していると言えそうです。

4カ月連続で参考指数をアウトパフォームしたことで、設定来リターンも+20.64%となり、参考指数のリターン+24.99%にかなり接近してきました。既に6カ月リターンでは「iTrust世界株式」が+14.69%、参考指数リターン+11.08%となるなどファンドの成績に勢いが出てきました。ようやくエンジンがかかってきたわけですから、この調子で追い上げて欲しいと思います。

さて、「iTrust」シリーズの魅力である受益者専用サイト「iInfo」による情報提供ですが、運用戦略レポート「Barometer」6月号が配信されています。ピクテとしては引き続き株式に対して強気の姿勢を維持していました。とくにユニークだと思ったのが、英国株式の評価を引き上げたこと。EU離脱決定後も英国経済は比較的堅調に推移していることに加え、バリュエーションがかなり割安になっていることが理由です。ポンド安も企業収益にとっては下支えとなると読んでいる。ただし、中長期的にはEU離脱が英国経済の足かせになるとのも指摘しています。でも、レポートが書かれたのは総選挙前ですから、保守党の過半数割れという事態は織り込んでいないと思う。はたしてこのあたりがどのように影響していくのかが気になるところです。

セクター戦略としては「ヘルスケア」セクターをニュートラルからオーバーウエートに引き上げました。業績見通しが堅調なのに対してバリュエーションが割安だからです。さらに「現在のような市場環境の下では、景気敏感セクター一辺倒ではなく、ディフェンシブセクターへのエクスポージャーをいくらか残しておく事が得策であると考えています」という判断は、実に穏健で好ましく思えました。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プラン

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