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2017年4月14日
ようやく調子が上がってきたかな―iTrust世界株式の2017年3月の運用成績
少額ですが保有・積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2017年3月次運用報告が出たの今回も読んでいきたいと思います。「iTrust世界株式」の3月の騰落率は+1.89%、参考指数であるMSCIワールド・インデックスの騰落率は+0.91%でした。前月に続いて参考指数をアウトパフォームしました。これによって直近3カ月の騰落率も「iTrust世界株式」が+3.28%、参考指数は+2.68%となりましたから、ようやく調子が上がってきたのかなと思います。ただ、6カ月や1年、あるいは設定来ではいまだに参考指数から大幅にアンダーパフォームした状態が続いていますので、引き続きこの調子で追い上げて欲しいところです。
月報によると、3月は月初こそ米国や中国の良好な経済指標などを背景に上昇しましたが、その後は米国の利上げ観測や原油価格の下落などを背景に下落基調となりました。トランプ政権による医療保険制度改革法(オバマケア) の代替案を巡る議会との対立や経済政策の実現に対する不安から軟調な動きもありましたが、月末にかけては原油価格の反発などもあって月間で上昇した形です。
業種別では、情報技術や一般消費財サービス、公益などが市場平均を上回る一方、金融や電気通信サービス、エネルギーなどは市場平均を下回りました。「iTrust世界株株式」の現在のポートフォリオは情報通信や一般消費財が組入れ上位にありますから、このあたりが好調な運用成績の要因となったようです。また、純資産残高も1億8000万円とまだまだ小さいのですが、ここにきてジワジワと増加しているのは良い傾向でしょう。
さて、iTrustシリーズの魅力の一つが受益者専用サイト「iInfo」を通じてピクテの機関投資家向けレポートが個人投資家にも配信されることです。このほどマンスリーレポート「Barometer」2017年4月号が配信されましたので、さわりだけ紹介しておきます。全体としては引き続き株式の評価をオーバーウェイトとする一方、バリュエーションが過去20年間でも割高な水準にある債券の評価はニュートラルを継続を推奨しています。
地域別では米国株式は好材料織り込み済みで上値余地がほとんどないとしてフルアンダーウェイト。欧州全域で景気の改善が見られることから、欧州株式はオーバーウェイト維持だそうです。割安が続いている新興国株式の評価も引き続きオーバーウェイトとしています。
セクター別では資本財・サービスはニュートラル。バリュエーションが既に割高な水準にあるほか、トランプ政権が3月末にオバマケ撤廃に敗北したことで、公約のインフラ投資拡大への期待も後退しているためです。一方、金融はフルオーバーウェイトを維持。割安であるほか、金利が上昇すれば収益改善に寄与すると期待されるため。また、債権のデフォルト率も低水準に留まっていることが下支え材料となるとの見立てです。
ただ、レポート発効後に急激に市場環境が変化しました。米国によるシリア・アサド政権へのミサイル攻撃や北朝鮮問題の緊迫など地政学的リスクが急速に高まっているからです。このため世界的に株式市場も下げ基調となるなど不安定な状態が続いています。こうした地政学的リスクは個人投資家レベルではいかんともしがたいものなので、もう腹を括って事態の推移を見守るしかありません。大切なことは、どんなことが起こっても市場から退場するようなダメージを受けないように、改めて自分のリスク許容量の範囲内での投資になっているのかを確認することでしょう。もし、リスク過剰になっていると判断すれば、少しポジションを解消して現金比率を高めておくというのも間違いではありません。
いずれにしても、国際政治の安定が最も望ましいのは言を俟ちません。やはり“投資家は平和を愛する”ものなのです。
【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プラン