2017年4月27日

不安なときはポジションの確認を―今月の積立投資(2017年4月特定口座)



4月はにわかに北朝鮮リスクがクローズアップされたことで株式相場も少しバタついていました。ここにきて少し落ち着きを取り戻していますが、こういった地政学リスクは国際分散投資をしている以上、どうしても避けられないものだと割り切るしかありません。とはいえ、投資を始めたばかりの頃は相場が下落するのは怖いもの。誰だってそうです。そういう時は、まずは投資のポジションを確認することです。つまり、自分のリスク選好以上にリスクをとっていないかを確認する。それだけで案外と冷静になれるものです。そういったことを考えながら、今月の積立投資を実行しました。

今月、通常の特定口座で買い付けたのは以下のファンドです。

【特定口座(SBI証券)】
ニッセイ日経225インデックスファンド
(信託報酬:税抜0.25% 信託財産留保額:なし)
<購入・換金時手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
(信託報酬:税抜0.2% 信託財産留保額:なし)
たわらノーロード新興国株式
(信託報酬:税抜0.495% 信託財産留保額:0.3%)
Funds-i新興国債券・為替ヘッジ型
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)
世界経済インデックスファンド
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.1%)
iTrust世界株式
(信託報酬:税抜0.89% 信託財産留保額:なし)

【特定口座(三菱東京UFJ銀行)】
eMAXISバランス(8資産均等型)
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.15%)

【直販投信】
ひふみ投信
(信託報酬:税抜0.98% 信託財産留保額:なし)

基本的に積立商品に変更はありません。ひふみ投信は「自由つみたて」を利用して3カ月ごとに購入しており、4月は購入月でした。「eMAXISバランス(8資産均等型)」を三菱東京UFJ銀行で購入しているのは、個人的にちょっとしたメインバンク戦略があるからですので、あまり参考にしないでください。基本的に銀行で投資信託を購入するのはお勧めできません。そもそも商品ラインアップが貧弱なので、商品選択の自由度がないからです。ちなみに5月には信託報酬が半分以下の「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」がネット証券で販売されますので、様子を見てから乗り換えを検討します。

さて、投資を始めたばかりの頃は、リスク資産の評価額が日々変動するのに慣れていませんから、少しでも相場が不安定になるとついつい気になってしまうもの。これは誰もが通る道です。というのも、実際に投資を始めるまではリスク許容度とは別に、自分のリスク選好の度合いが分からないからです。例えリスク許容度の範囲内であっても、リスク選好を超えた投資はしんどい。そしてリスク選好の度合いというのは、含み損を抱えて初めて気付くという面があります。

そこで不安になったときには、まずは自分の投資ポジションを確認することをお勧めします。いま自分の資産の中で無リスク資産がどれだけあり、リスク資産がどれだけあるのかを確認する。そしてリスク資産のウエートがオーバーポジションになっていないかを確認する。もし、明らかにリスク資産が多すぎて、自分のリスク選好を超えていると感じるなら、たとえリスク許容度の範囲内に収まっていたとしても、少しポジションを縮小するのもひとつの選択肢です。そもそも投資は、しんどい思いをしてまでするものではありませんから。

しかし、「なんだ、含み損と言っても意外と資産全体の中で見れば大した額じゃないな」と思えたらひと安心。そうすることで少しずつ投資に慣れていくのです。ちなみに私の場合、大幅な含み損を抱えていた時は、含み損の金額と無リスク資産の金額を見比べて、「まだまだ無リスク資産がいっぱいあるじゃないか」と自分を慰めていました。それは“塩漬け凍死家”特有の現実逃避だという批判もあるのですが、大きなお世話です。これこそが個人投資家による“庶民の知恵”というものです。

そして、積立投資のメリットの一つがここにあります。積立投資は少額からのスタートとなりますから、投資を始めたばかりの初心者段階では必然的にポジションは小さい。含み損があっても、それほど大きな心理的ダメージになりません。そうやって実際に含み損と含み益を体験しながら、少しずつ自分のリスク選好とリスク許容度のギャップを埋めていくことができれば、やがて自然体でリスク資産を持ち続けることができるようになるのです。

【ご参考】
積立投資については様々な参考書がありますが、とくにカン・チュンドさんの『忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』と星野泰平さんの『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』が分かりやすいです。

関連コンテンツ