2016年5月18日

謎に包まれたステート・ストリートの超低コストインデックスファンド



このブログでも取り上げたステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが新規設定した超低コストインデックスファンドですが、いよいよ謎が深まってきました。当初は三井住友信託銀行が販売するとみられていたのですが、どうも実態はファンド設定の手続き上、受託会社である三井住友信託銀行が協力しただけのような雰囲気です。すでにファンド自体は設定・運用されているのですが、三井住友信託銀行のラインアップには姿を見せず、それどころか販売会社がまったく分からない。いったいぜんたい、このファンドは何なんでしょうか。

ステート・ストリートの新インデックスファンドについては、アウターガイさんがさっそく取り上げてくれています。

ステート・ストリートの超低コストインデックスファンドは「MA」?(バリュートラスト)

すでに設定・運用されていることは、私もモーニングスターのファンド検索などを通じて知っていたのですが、まったくもって不可解なのは、ステート・ストリートのサイトを見ても、商品情報が記載されていません。目論見書を読んでも、販売会社の記載がなく、ただステート・ストリートに問い合わせする旨だけが書かれています。純資産も初期設定の1000万円のままです。ということは、まだ実際には販売されていないということでしょう。

まさか、あまりに信託報酬に占める販売会社取り分が少なすぎ、どの証券会社・銀行も手を挙げなかったのでしょうか。たしかに販売会社の信託報酬取り分0.01%(税抜)というのはべら棒な数字です。これでは販売会社からすれば経費もまかなえない可能性があります。そうなってくると、もしかしたらラップ口座専用ファンドといった使われ方をする可能性も懸念されます。ラップ口座なら信託報酬が安くても口座手数料で販売会社は十分にペイできるからです。

いずれにしても謎が深まってきました。非常に魅力的な商品であることには変わりがないので、引き続きwatchしていきたいと思います(思い切ってステート・ストリートに電凸してやろうか)。
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