2015年12月23日

インデックスファンドの低コスト競争、次は既存ファンドが動く番?



すでに投資信託協会のデータベースには登録されていましたが、このほど三井住友トラスト・アセットマネジメントが低コストインデックスファンド「インデックスe」シリーズに日経平均株価連動の「日経225インデックスe」を追加設定することが金融庁の情報開示システムであるEDINETで正式に開示されました。信託報酬(税抜)は日経225に投資するインデックスファンドとしては最安値の年0.19%です。設定日は2016年1月8日、当初の販売会社はSBI証券です。三井住友トラストAMがインデックスeという既存のシリーズを使って現在のインデックスファンドの低コスト競争に参入してきたことは、非常に意味のあることです。場合によっては今後、そのほかの既存インデックスファンドシリーズでも大きな動きがあるのかもしれません。それを予感させる兆候ともいえる動きも散見されます。もしかしたら、インデックスファンドの低コスト競争で、次は既存ファンドが動く番なのかもしれません。

三井住友トラストAMが、インデックスeという既存シリーズで改めて超低コストファンドを新規設定する意義については、以前にブログでも感想を書きました。
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三井住友トラスト・アセットマネジメントが低コスト競争に動く-日経225インデックスe(信託報酬0.19%)を追加設定

三井住友アセットマネジメントによる確定拠出年金専用ファンドの一般販売開放やニッセイアセットマネジメントによる<購入・換金手数料なし>シリーズの信託報酬大幅引き下げ、そしてDIAMアセットマネジメントによる超低コストインデックスファンドシリーズ「たわらノーロード」の登場といった最近のインデックスファンドの低コスト競争に対して、三井住友トラストAMとしても参戦するという明確な意思を示したと解釈できるからです。それは、すでに実績のある低コストインデックスファンドシリーズも、さらなる信託報酬引き下げが実施される可能性が無いとは言えないことを意味します。

ちょうど同じころ、やはりこれまで低コスト競争を主導してきたインデックスファンドシリーズであるeMAXISを設定・運用している三菱UFJ国際投信にも小さな動きがありました。全ファンドの実質コストを一覧で発表したのです。

eMAXISのコストについて(三菱UFJ国際投信)

これなどは三菱UFJ国際投信が、現在起こっている低コスト競争を極めて明確に意識していることを示しています。ネット証券のみで販売されているインデックスeとは異なり、eMAXISは対面型証券や銀行でも販売されていますので、販売会社が受け入れない限り既存ファンドの信託報酬の引き下げはできません。そこで実質コストを大々的に公表して商品の品質と運用会社としてのコストに対する誠実な意識を持っていることをアピールすることで、受益者が他の低コストファンドに乗り換えるのをつなぎとめようとしているのではないでしょうか。言い換えると、三菱UFJ国際投信としても、現在起こっている低コスト競争が、従来とはまったく別の次元に突入していることを理解しているのでしょう。だから急遽、できる範囲での対策を実行したといえるのです。

こうした動きを見ていると、これまでインデックスファンドの低コスト化を主導してきた三井住友トラストAMと三菱UFJ国際投信ともに、新たな段階に入ったインデックスファンドの低コスト競争に対して、なんらかのアクションを起こそうとしていると想像できます。彼らも馬鹿ではありませんから、今後とりうる有効な対抗策はひとつしかないことぐらい分かっているはずです。ただ、ファンド規模が大きくなったことで販売会社など利害関係者も増えていますから、急には動けなくなっている。それでも、動こうとしているに違いありません。

そういう意味では、既存の低コストインデックスファンドシリーズに動きが出てくるのは、これからなのでしょう。やはり2016年は、既存のインデックスファンドに大きな動きがある年になるのかもしれません。ぜひそうあって欲しいと期待しています。
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