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2015年10月20日

やはり株式と債券は「名コンビ」

分散投資のセオリーとして、値動きが逆になる株式と債券を合わせて所有することで全体のリスクを抑えるという方法があります。この方法が現在でもどの程度有効なのかを確認する面白いシミュレーションの報告がありました。

株と債券の分散投資を10年続けたら…「名コンビ」の効果を検証(ZUUonline)

じつに見事な結果が出ています。やはり株式と債券は「名コンビ」と言えるでしょう。また、リバランスの有効性についても明確な結果が出ているのも見逃せません。

シミュレーションの詳細についてはリンク先を読んで欲しいのですが、2004年から2013年までの10年間、株式100%、債券100%、株式30%・債券70%(リバランス無)、株式30%・債券70%(リバランス有)をそれぞれ保有したときのリターンを比較したものです。株式は日経平均、債券は10年物日本国債を使っています。

結果は明確でした。もっともリターンが高かったのが株式100%の41.8%ですが、変動幅は最大です。一方、債券100%は変動幅は最少ですが、リターンも18.77%と最低でした。そして面白いのが株式30%・債券70%に投資した場合です。
一方、株式30、国債70の分散投資ですと、株式100に比べて変動はかなり緩和され、収益率はリバランス無で25.68%、リバランス有で35.82%となっています。特にリバランスを行った運用が非常に効果的でした。
非常に分かりやすい結果です。やはり相関係数がマイナス(逆の値動きをする)である限り、株式と債券を合わせて保有することでリスク低減が可能だということがよくわかります。また、リバランスを行うことでリターンが増える効果も確認できました(いわゆるリバランス・ボーナス)。なぜリバランスをするとリターンが向上するのか。それは、リバランスとは増えた資産を売却し、減った資産を買い増すことですから、いいかえると利確とナンピンを同時に行っていることに近い。だから上手くはまるとリターンが向上するのです。

もっとも、今回のシミュレーションはあくまで過去のデータに基づくものですから、今後も同じ効果が保障されるわけではありません。さらに現在は日銀による金融緩和で国債が人為的に買い上げられており、価格形成に歪みがあるともいえるので注意が必要です。しかし、私個人としては株式と債券の相関係数がマイナスである限り、このふたつの資産に分散投資することは有効だと考えています(この問題については関連記事を参照ください)。

それと、この記事でも最後に重要なこととして次のように指摘しています。
ただし債券はあくまでも高格付け債券の場合です。低格付け債券の場合は値動きが、市場金利よりも発行体の信用状況に応じて決まります。株式と似たような動きをすることも考えられ、リスク分散効果は小さくなると思います。
これは非常に重要なことです。国際分散投資における債券投資の役割は、あくまで全体のリスクをマイルドのするクッションのようなものですから、間違ってもハイ・イールド債(ジャンク債)などが安心だと考えてはいけません。逆に株式と同じような値動きをするケースがあるので、ハイ・イールド債など低格付債券への投資はリスクを高めてしまう危険性すらあるのです。
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