ETFは、投資信託と比較して信託報酬が低廉なのが魅力ですが、個別株同様に売買手数料が必要なことが無視できないデメリットのひとつです。通常、上場銘柄の取引手数料には証券取引所に支払う場口銭(手数料)が含まれているので証券会社の一存では簡単に無料にはできません。ところがカブドットコム証券のフリーETFは、ETFの普及促進のためにカブドットコム証券に対して三菱UFJ投信と国際投信投資顧問、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの3社がそれぞれの運用商品の売買に協賛金を支払うことで受益者の取引手数料を無料にすることに成功しました。さすがMUFGグループのネット証券だと思わせるサービスです。
現在、フリーETFとして売買手数料無料で取引できるETF銘柄は以下の通りです(カッコ内は証券コード)。
MAXIS JPX日経インデックス400上場投信(1593)はっきり言って、これだけのラインアップを売買手数料無料で取引できるなど信じられないくらいです。フリーETFだけでポートフォリオを構成することも十分に可能です。また、ラインアップされている商品自体も魅力的です。例えばMAXISトピックス上場投信は信託報酬は年0.0819%(税込)。米国株に投資するSPDR S&P500 ETFも信託報酬は年0.0945%程度。投資信託とはケタ違いの安さです。先進国株式に投資するMAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信も信託報酬は年0.2625%(税込)と、これも安い。
MAXIS トピックス・コア30上場投信(1344)
MAXIS 日経225上場投信(1346)
MAXIS トピックス上場投信(1348)
MAXIS S&P東海上場投信(1553)
MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信(1550)
SPDR S&P500 ETF(1557)
ABF汎アジア債券インデックス・ファンド(1349)
国際のETF VIX短期先物指数(1552)
国際のETF VIX中期先物指数(1561)
MAXISトピックスリスクコントロール(5%)(1567)
MAXISトピックスリスクコントロール(10%)(1574)
MAXIS Jリート上場投信(1597)
外国債券への投資が好みならABF汎アジア債券インデックス・ファンドも面白いファンドです。Markit iBoxx ABF汎アジア指数(中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの政府、準政府機関発行の現地通貨建て国債・公債価格の指数)に連動するETFですが、総経費率は年0.2%程度。新興国債券に投資するみょうに高コストなアクティブファンドを買うぐらいなら、このETFを買う方がよほど賢明な選択でしょう。
そんなわけで、ETFを買うならカブドットコム証券のフリーETFが極めてお得です。ただし、注意点もあります。フリーETFにラインアップされているETFのほとんどは、各アセットカテゴリーのETFの中で純資産総額や出来高の面で2番手、3番手に位置するファンドが多い。どうしても出来高が少ないケースが多いので、売買の際に成り行き注文すると値が飛んでしまい、予想外の値段で約定してしまう場合があります。取引の際には、必ず板を見て、指値注文を入れましょう。ETFの取引には複数のマーケットメイカーが付いて裁定取引を行っているので、よほど無茶な指値を入れないかぎりは約定できます。
そんなわけで、個人的にも今後もETFの取引はカブドットコム証券で行っていきたいと思います。ある程度のまとまった資金を一括投資するなら投資信託のほかにETFは有力な選択肢ですから、デメリットのひとつである売買手数料を無料にできるフリーETFのサービスをぜひ活用したものです。