年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2024年度第2四半期(7~9月)運用状況が発表されたので定例ウオッチです。2024年7~9月の期間収益率は-3.57%、帳簿上の運用損益はマイナス9兆1277億円でした。市場運用開始来の収益率は年率+4.26%となり、運用資産額は248兆2274億円となっています。
2024年度第2四半期運用状況(速報)(GPIF)
資産カテゴリー別に見ると、日銀による金利引き上げをきっかけに8月初めに日本株が大幅下落したことで、国内株式は-4.92%となりました。また、外国株式は現地通貨建ては上昇していたのですが、やはり一時的に円高に振れたことで円換算では下落し、-5.35%となっています。同様に円高の影響で外国債券も-5.51%となりました。一方、国内債券は+1.42%となり、その他の落ち込み若干なりともカバーしています。やはり分散投資には意味があるわけです。
さて、GPIFの運用結果がマイナスになるとマスメディアが大きく報じるというケースが大野ですが、今回はあまり大きな話題にならなかったという印象があります。世間では衆議院選挙の結果を受けて新たな政権枠組みの行方や、国民民主党が主張する「103万円の壁」問題などに話題が集中しており、GPIFのニュースはそれに埋没した形です。また、さすがに世間の方も事情が分かってきて、GPIFの一時的な損益を議論してもほとんど意味がないということが理解され始めたのかもしれません。ようするに“煽り記事”としての賞味期限が切れてきた。それはGPIFにとって好ましいことでしょう。