サテライトポートフォリオで少しだけ保有しているピクテ・ジャパンの低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2024年9月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の2024年9月の騰落率は+0.53%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+1.28%でした。残念ながら9月も参考指数をアンダーパフォームしています。
9月は米国の経済指標が冴えなかったことで景気後退懸念が高まっていたのですが、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに動いたことで米国経済もソフトランディングへの期待が高まり、最終的に株価も上昇して終わりました。業種別では、一般消費財・サービス、公益事業、素材などが相対的に大きく上昇した一方、エネルギー、ヘルスケアは下落しています。
今後に見通しですが、「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」10月号によると、米国の金利引き下げによって新興国資産の投資妙味が増すとピクテ見ています。このため、株式をオーバーウェイト推奨とし、とくに新興国株式(中国除く)と新興国債券(中国除く)をオーバーウェイト推奨に引き上げています。
また、日本株に対してはオーバーウェイト推奨を継続しました。「国内経済がデフレ局面を脱し、企業のガバナンス改革が株主還元の更なる改善を促す」「今後の円高進行が穏やかなものに留まる公算が大きい」とのこと。そして「2025 年の日本の GDP成長率は約+1.4%と、潜在成長率の2倍程度に達すると予想」しているとか。
ただ、個人的には不安要素が増えているように感じます。というのも日本は現在、総選挙の真っただ中。与党の苦戦が伝えられており、場合によっては政権交代の可能性すらあります。そうなると政策変更リスクが拭い去れません。万が一、“ぼくのかんがえたさいきょうのけいざいせいさく”などを実行されれば、せっかくの日本株への期待も絵に描いた餅に。選挙後の政権枠組みがどうなろうとも、政権担当者にはとにかく“教科書通り”の経済政策を望みたいところです。