2022年11月24日

日本の評価は意外と高い―「iTrust世界株式」の2022年10月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2022年10月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の10月の騰落率は+10.28%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+9.26%でした。10月は久しぶりに大幅な上昇相場となる中、前月に続いて参考指数をアウトパフォームしています。

10月は月後半から企業の好調な決算や欧米の長期金利上昇がピークアウトの兆しを見せたことなどから株式市場は大幅な上昇となりました。業種別でもすべての業種が上昇となっており、とくにエネルギーや資本財・サービス、金融、ヘルスケアなどが大きく上昇しました。

とはいえ、依然として世界的なインフレ高進と金利上昇によって世界経済はリセッションの可能性が高まっています。このためピクテの投資判断も慎重姿勢が続いています。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」11月号によると、引き続き株式はアンダーウエイト判断となり、地域・セクター別でもほぼすべての地域・セクターに対してアンダーウエイトもしくはニュートラル判断を継続しています。

そういった中、地域別で唯一オーバーウエイト推奨となっているのが日本。ピクテは「円安が輸出セクターの追い風になっている」「コロナ禍からの消費者需要の回復、相対的に穏やかなインフレ動向、大規模な金融緩和政策の継続、原子力発電所の再稼働によるエネルギー安全保障の強化等、様々な支援材料がある」と指摘しています。海外から見ると、日本の評価は意外と高いということが改めて確認できます。

さて話は変わりますが、ワールドカップ・カタール大会が始まりました。日本代表がドイツ代表を破る大金星です。あの“ドーハの悲劇”をリアルタイムで見ていた世代の1人として、同じカタールの地で日本代表がこれだけの試合をやってのけるというのは、なんとも感無量です。しかし、今回の勝利がまったくの“奇跡”だとは思いません。なぜなら、ドーハの悲劇のころと比べて、日本代表選手のテクニックや戦術レベルは格段の進歩を遂げているからです。相手がドイツ代表でも、“ハマれば一発入る”といったレベルにある。

だからこそ実際に日本代表選手の多くは欧州のクラブチームに所属するようになっているわけで、サッカーにおける中堅国の地位を固めつつあるのです。やはり、日本人が考えるよりも、日本の評価は意外と高いということです。

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