2022年6月22日

文句をたれる前に行動する人たち―2022年6月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績

 

病気で寝込んでいる間にも、SBI証券で運用している個人型確定拠出年金(iDeCo)の6月の買付(5月拠出分)が約定しています。このあたりが天引きによる拠出のありがたい点でしょう。そのiDeCoですが、冴えない相場にもかかわらず加入者は増加が続いており、やはり“文句をたれる前に行動する人たち”が存在するのだということを感じさせます。

SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.1085%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.058%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」

累積損益率は6月20日段階で+33.5%となりました。株価は下落傾向が続いていますが、幸いなことに海外資産の下落が円安によって相殺されており、前月からほぼ横ばいで推移しました。国際分散投資に救われた形です。

ただ、世界的なインフレ高進と、それを抑えるために各国中央銀行が金利引き上げ動く中で、株式相場の環境は極めて厳しい状況です。このため投資家のマインドも悪化しており、新規投資を控える傾向もあります。

ところが、投資環境悪化の中でも、iDeCoの新規加入者は増加傾向が続いています。モーニングスターによると、4月のiDeCo新規加入者数は4万4374人でした。前年同月比では8.7%減ですが、一昨年4月と比べると約38%増となり、高水準を維持しています。


こうしたデータを見ると、いろいろと考えさせられます。最近、公的年金の支給額がわずかながら減額されたこと(これは制度上、当然の措置です)や、岸田首相による「資産所得倍増プラン」といった掛け声に対して批判の声が高まっています。たしかに「資産所得倍増プラン」に関しては内容が茫漠としており、批判されて当然の部分もあるのですが、その一方でiDeCo加入者の増加が続いているという事実は、それこそ文句をたれる前に行動している人が確実にいるという厳然たる現実を示しています。

ことの是非についてはコメントはしませんが、少なくとも“行動している人がいる”という現実は直視する必要があるでしょう。なぜなら、10年後、20年後には、黙って行動した人と、文句をたれるだけで行動しなかった人との間には、強烈な格差が生じる可能性があるからです。その是非に関してもやはりコメントしません。しかし、そういった現実があるということは強調しておく必要があると思います。なぜなら、私たちは誰もが現実からは逃れられないのですから。

【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン

iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。



iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』と大江加代さんの『最強の老後資産づくり iDeCoのトリセツ 2022年施行 法改正完全対応版』を挙げておきます。

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