2022年3月18日

ニュートラルのポジションを守る―「iTrust世界株式」の2022年2月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2022年2月次運用報告が出ました。「iTrust世界株式」の1月の騰落率は-1.63%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は-0.63%でした。ここ2カ月は連続して参考指数を上回っていた「iTrust世界株式」ですが、2月はアンダーパフォームとなりました。ロシアによるウクライナ侵攻によって株式市場の先行きも不透明ですが、とりあえず現状ではニュートラルのポジションを守ることになりそうです。

2022年2月の株式市場は、好調な企業業績を背景に上げ基調で始まりましたが、世界的なインフレ加速から米国が積極的な利上げに動くとの見方が強まったことや、ウクライナ情勢の緊迫化でリスクオフの動きが強まったことで下落して終わりました。下旬にはロシアによるウクライナ侵攻があり、市場のマイナス要因となっています。

目下、最大の懸念材料はウクライナ問題ですが、これこそ先行きがまったく読めません。紛争の影響でエネルギー価格の高騰が続くとスタグフレーションの懸念さえ高まります。一方、景気の先行き不安から各国中央銀行も急激な利上げには踏み込みづらくなっており、これは株式市場にプラス要因となるという見方もあります。

「iTrust」シリーズの受益者に配信する機関投資家向けレポート「Barometer」3月号によると「ウクライナ情勢を冷静に見極める」段階だとピクテは指摘します。このため推奨ポジションも株式をニュートラルに引き下げる一方、債券はニュートラルに引き上げています。

ロシア国債のデフォルトの可能性が高まる中、とくに新興国債券の先行きが気になるところですが、これに対してピクテは指数におけるロシア国債のウエートがそれほど高くないこと、コモディティ価格の上昇によって他の新興国の交易条件の改善が見込めることを指摘しています。このため「オーバーウェイトに引き上げるのはリスクが高いと考えるものの、アンダーウェイトに引き下げるのも得策とは考えていません」としています。

いずれにしても焦点は新型コロナウイルスからウクライナ紛争に移りました。これもまた合理的な予想が難しい材料ですから、やはり短期的には慎重な姿勢が必要そう。ただ、慌ててポジションを変更するのも拙速ということでしょう。しばらくはポジションをニュートラルに保ち、事態の推移を冷静に見極めるしかなさそうです。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プランauカブコム証券確定拠出年金プラ

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