2021年1月12日

三陽商会「100年コート」を購入―良いモノを長く使うのが究極の節約法




 

ここ数日、全国的に猛烈な寒さとなりました。こうなると通勤時などに手放せないのがコートです。先日、三陽商会の「100年コート」のトレンチコートを安く手に入れることができました。さすが評判に違わぬ素晴らしい出来の逸品です。やはりこういった良い物を長く使うのが、結局はいちばんコストパフォーマンスが良いのです。

よく知られるように三陽商会は日本におけるコートの名門で、かつては「バーバーリー」をOEMして日本で販売していました。バーバーリーとの契約は終了しましたが、そこで使われていた同社の技術をすべて投入して開発したのが「100年コート」です。「100年」というネーミングには、手入れしながら長く愛用してもらいたいとの思いが込められています。

実際に手にしてみると、やはり惚れ惚れとする逸品です。生地はエジプト超長綿の細番手糸を高密度に織り上げたギャバジン。私が買ったのはネイビーですが、先染めによる深みのある色調も見事なものです。また、縫製が極めて丁寧で強固。ボタン取り付けは、きちんと合わせる生地の厚みを計算した足付けがされており、着用しやすい上に取れにくい配慮がなされています。さすが“メード・イン・ジャパン”です。

はっきり言って、現在ではインポート品しか手に入らなくなったバーバーリーのコートと比べても品質面で遜色ありません。価格差を考えればコストパフォーマンスでは圧勝でしょう。これは私の独断ではなく、まだ三陽商会がバーバリーのコートをOEMしていた時代に、ある繊維業界関係者が「『バーバリー』や『アクアスキュータム』のコートは、インポート品よりも日本のアパレルが作ってるOEM品の方がお得やぞ。生地も縫製も良いから」と教えてくれました。

こういったアイテムは、まさに“一生モノ”です。それこそ10年以上は普通に愛用できるし、お直しすれば文字通り一生使えるわけです。そうやって良いモノを長く使う方が、安物を短期間で使い潰して買い替えていくよりも経済的です。実際、私のワードローブには、そういったアイテムがいくつかあります。


これは10年以上愛用している「アクアスキュータム」のシングルブレストタイプのトレンチコートです。やはり、いまは亡きレナウンがOEMしたもの。さすがに少しよれてきましたが、それでもまだ生地はしっかりしています。これも先染め糸が使われているので、光の当たり具合によって玉虫色の変化がよく分かり、なんとも高級感があります。レナウンと言えば「ダーバン」のダブルブレストのチェスターコートも今のような厳冬下では大活躍してくれます。


これも購入してから7、8年は経っていますがウール100%の高目付の生地は頑丈のひとことで、くたびれた感じがまったくありません。最近は重いコートの人気がないので、どうしても低目付の生地を使ったコートばかり売られていますが、それではどうしても耐久性が落ちてしまうのです。それでは“一生モノ”にはなりません。そして、本当に良いモノを大切に使えば、一生どころか世代をまたいで愛用することもできます。先日、義父から譲られたコートも、そんな1着です。


なんの変哲もないネイビーのステンカラーコートですが、生地はイタリアの高級服地「エルメネジルド・ゼニア」のカシミヤ100%。かなり古いもので、さすがに襟元などには少し痛みもありますが、それでも十分に着ることができます。なにより生地の風合いが素晴らしい。丁寧にブラッシングしてあげれば、素晴らしいタッチがよみがえります。こういったオーソドックスなデザインは流行による変化の影響も受けないので、長く愛用することができるのもメリットです。

最近は衣料品といえばファストファッションが主流で、それこそ安価なウエアを次々と着潰していくスタイルが主流になりました。シャツやレッグウエアなど実用衣料はそれでいいと思いますし、私自身もカジュアルウエアはユニクロなどを愛用しています。しかし、やはりコートやスーツ、革靴などビジネスシーンで身にまとうものはそれなりのものを着たい。そして、少し高価でも良いモノを長く使う方が結局は経済的だし、究極の節約法となるのでは。それが“賢い消費”だと思うのです。

(ところで、新型コロナウイルス禍もあって日本のアパレル業界は深刻な不況下にあります。レナウンは既に破綻し、三陽商会も倒産の危機に瀕しています。せっかく「100年コート」を手に入れたので、三陽商会には何とか頑張って欲しいと思います。)

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