2020年3月22日

下落相場における配当金は一服の清涼剤



“コロナ・ショック”で世界の株式市場が大変なことになっています。私自身も3月に入ってから既に保有資産が400万円以上減少しました。年収並みの金額が減っているわけですから非常に気分が悪いです。そんな不機嫌な毎日ですが、そんな中でもときおり証券会社や信託銀行から個別株の配当金やETFの分配金の入金のお知らせが届きます。やはり投資において配当金というのは一服の清涼剤です。現在のような下落相場ではとくにそう感じます。

配当金や分配金は決算日からたいたい3カ月後に支払われますから、これからちょうどう12決算の企業やETFの配当金や分配金が順次支払われることになります。米国企業などは支払いが早く、すでに何社かが振り込まれ始めました。そのお知らせが届き始めたのですが、やはり現在のような下落相場で配当金が振り込まれると嬉しさはひとしおです。まさに一服の清涼剤、あるいは精神安定剤と言ってもいいかもしれません。

いろいろと意見の分かれるところですが、やはり配当金というのは投資の醍醐味の一つです。そして、一定のリスク低減効果もあります。なぜなら配当金というのはリターンの一部を定期的に利益確定していることになるからです。たしかに無分配の投資信託のように配当金再投資した方が長期的にはリターンは良くなるでしょう。ただし、利益の実感が乏しくなるので現在のような下落相場に直面すると、よほど投資に対して理解している人でないと、ある種の徒労感だけが増えて投資を続ける気持ちを萎えさせてしまう面もあります。

こうしたことを考えると、配当金狙いの投資を一概に否定してはいけないと思う。「配当金を受け取るのは複利効果を減退させるので不合理」という指摘は理論的には正しく、合理的でもあるのですが、そもそも人間の感情はそれほど合理的にはできていませんし、なにより市場そのものがそれほど合理的ではないということを現在の私たちは嫌というほど感じているのですから。

そんなわけで私自身も配当金狙いの投資をしています。私はインデックス投資と個別株投資の二刀流なのですが、インデックス投資は無分配型による配当金再投資で複利効果を最大限追求する。しかし、個別株投資は安定した配当金が見込める銘柄を選好しています。そして買付もインデックスファンドは機械的な積立投資ですが、個別株は下落局面でタイミングを見計らって購入しています。そのときの資金として活用するのが、それまで使わずに貯め込んだ配当金収入です。つまりタイミング投資として配当金再投資を行うことになります。今回も、いよいよその出番が来ました。

これからしばらくは厳しい投資環境が続くと思いますが、だからこそ(金額の多寡は別にして)配当金の輝きも増してくるでしょう。これもまたインデックス投資とは一味違う個別株投資の楽しみであり強みでもあると感じます。

関連コンテンツ