2019年12月9日

ワイシャツの手入れは男の仕事―家庭洗濯で襟の黄ばみを落とす



結婚して独立した所帯を持つようになってからというもの急に家事に興味がわいてきました。料理から始まり、最近はアイロンがけにハマっているのですが、自分でワイシャツにアイロンをかけているとどうも気になるのが襟の黄ばみ。お気に入りのシャツでも襟が黄ばんでくるとだんだんと着なくなるのですが、それがどうにももったいない。そこで家庭洗濯でワイシャツの襟の黄ばみ落としに挑戦しました。これが予想以上に成功。やはりワイシャツの手入れは男の仕事なのです。

ワイシャツの黄ばみの原因は皮脂が蓄積したものが酸化することです。これに汚れが沈殿すると黒ずみとなるわけです。これを落とす方法をいろいろと研究したのですが、最近は便利な時代で、ネットでいろいろな情報を入手することができます。それを参考に挑戦してみました。

まず選んだのは、粉末タイプの酸素系漂白剤。なぜ粉末タイプを選ぶのかというと、主成分が過炭酸ナトリウムなのでアルカリ性だから。液体タイプは過酸化水素が主成分なので酸性です。黄ばみの原因は酸化した皮脂ですから、アルカリ性の方が中和作用で漂白力が高いのではと考えました(その代わりアルカリ性はタンパク質を溶かしますから、シルクやウールなどタンパク繊維には粉末タイプの酸素系漂白剤は使えません)。

まずは黄ばんだ部分を濡らして洗濯洗剤や石鹸で洗います。使い古しの歯ブラシを使うと便利。こうして新しい汚れを取り除いたら、いよいよお湯に溶かした漂白剤を黄ばんだ部分に付けて黄ばみ落としに入ります。あまり強くこすると生地が傷むので、繊維の間に付着した皮脂汚れをかき出すイメージ。

この時の裏ワザがドライヤーを使って洗浄部分の温度を上げること。洗濯や漬け置き洗いでお湯を使うと洗剤の効果が高まるのと同じ原理。温度を上げることで漂白剤の化学反応速度が高まり、効果が大きくなるのです(ただし、あまり熱くしすぎないように。やはり生地を痛めます)。

そのあとはシャツ全体を漂白剤を溶かし込んだお湯で漬け置き。漬け置き時間は30分程度にしました。やはり長時間漬け置くと生地が傷むので気を付ける必要があります。漬け置きが終われば、あとは洗濯機に入れてほかの洗濯物といっしょに普通に洗濯するだけ。

初めて挑戦してみたのですが、予想以上に黄ばみが落ちて驚きました。やはり化学の力は凄い。市販されている家庭用漂白剤でも、ちょっと丁寧に作業すれば驚きの効果があるのです。すっかり白さを取り戻したワイシャツを見て楽しくなったので、乾かしてからすぐにアイロンをかけました。これも楽しい作業です。

最近、家事にも“男の仕事”があるということを強く感じます。ワイシャツの手入れなどはその代表でしょう。そのほかにもスーツのブラッシング、靴磨きなどもそうです。なぜなら、これらはすべて“男の仕事道具”だからです。仕事道具なら、自分で磨くべし。野球選手が自分でバットやグローブを手入れするのと同じことです。それに、自分の道具だと思うからこそ日常の手入れも楽しくなります。

最近は共働き家庭が一般的になりましたから、夫婦で家事を分担するのは当たり前になっています。家事が苦手な男性は、まずは自分の道具を自分で手入れするところから始めてみればどうでしょうか。自分のワイシャツを洗う。そのついでに家庭の洗濯物も洗ってしまうのです。そしてアイロンも自分でかける。私の場合、たんに自分の道具を手入れしながら悦に入っているだけなのに、妻は異様に喜んでくれるのです。

関連コンテンツ