2019年11月20日

新興国株式の見通しが好転―「iTrust世界株式」の2019年10月の運用成績



サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2019年10月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の10月の騰落率は+3.70%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+3.84%でした。残念ながら参考指数に対して若干のアウトパフォームですが、堅調な相場となったことで先行きに対して若干の明るさが出てきました。とくに新興国株式の見通しが好転しているというのがピクテの見立てです。

米国雇用統計の数字が良好だったことや、米中貿易協議の進展と英国の合意なきEU離脱が回避されるとの期待などを背景に10月は月末にかけて株式市場は上昇基調となりました。米国を中心に企業決算が市場予想を上回ったこと、米国やユーロ圏などの金融緩和期待なども株式市場にとってプラス要因となっています。業種別では、ヘルスケア、情報技術、資本財サービスなどが市場平均を上回って上昇しています。

このためピクテでは先行きに関しても若干の好転を見ています。「iTrust」シリーズの受益者に配信している機関投資家向けレポート「Barometer」11月号では「悲観論は僅かに後退」とまとめています。とくに期待が持てるのが新興国株式。中国経済の足元に安定化の兆しが見えてきていることや、米中貿易戦争の休戦への期待、米国の追加緩和の可能性などが新興国株を下支えする構図です。

一方、先進国株に対しては悲観的。市場のコンセンサス予想が、米国、欧州、スイス、日本の2020年の企業利益成長率を8~9%程度と極めて楽観視していることに警鐘を鳴らしています。バリュエーション的にもとくに米国株は割高です。このため米国株は引き続きアンダーウェイトを推奨しています。また、経済成長が鈍化する中で有望なのはバリュー株。当面はグロース株からバリュー株への資金移動が続きそうです。

やや落ち着きを取り戻した株式相場ですが、まだまだ安心はできなさそうです。こういう局面こそ、先進国だけでなく新興国も含めた国際分散投資の重要性が一段と高まりそうな予感がします。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プランカブドットコム証券確定拠出年金プラン

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