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2019年2月21日
iDeCoは相場急変でも慌てて動いてはいけない―2019年2月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績
SBI証券のオリジナルプランで拠出・運用している個人型確定拠出年金の2月の買付(1月拠出分)が約定しました。2018年末は世界的な株価下落でiDeCo口座の評価額も大幅に減少していたのですが、年が明けると一転、ここしばらくの堅調な相場で含み益が回復しています。拠出開始来の累積損益率は+12.7%となりました。やはり大切なの、iDeCoのような長期運用が前提の制度では短期的な相場の変動に対して慌てて動いてはいけないということです。実は最近、そういったことを強く思い出す出来事がありました。
SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.21%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.52%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」
いずれも年明けから大幅な上昇となり、含み益が回復しています。やはり相場の先行きというのは読めないもので、それこそ昨年末などは、このままズルズルと下落が続くのではないかと心配になった人も多かったわけです。そのことを思い知らされるように、こんなことがありました。
じつは私に影響されて昨年からiDeCoに加入している同僚がいます。その同僚から年明け早々にiDeCoについて相談されました。彼曰く「株式インデックスファンドがちょっと含み損になった。米中貿易戦争などで世界経済の先行きも不透明なので、ここはいったん株式インデックスファンドをすべて売却し、定期預金などに避難させようかと思う」。
これに対して私は「それは絶対にやってはいけない。iDeCoのような長期運用が前提の制度では、短期的な市場動向に左右されてポートフォリオの配分を変更すると、かえってリターンが悪化しやすい」と答えました。それで彼もポートフォリオの変更を思いとどまったのですが、結果的に1月から2月にかけての株価反発の恩恵を受けることができたわけです。もし1月初めの段階で株式インデックスファンドを売却していたら、リターンは著しく低下していたことでしょう。
これはたまたま相場が反発したから良かったという結果論の問題ではありません。なぜiDeCoにおいて一時的な相場動向によってポートフォリオを変更することがまずいのか。それは、運用期間中の評価額や収益率には意味がないからです。iDeCoは原則として60歳まで資産の引き出しができない制度です。これは言い換えると、加入者にとって意味を持つ評価額や損益率というのは60歳段階での評価額と損益率だけだということです。
ですから、まだ拠出期間を多く残した段階で損益に一喜一憂するのは全く無意味なことです。もしポートフォリオの変更に意味があるとすれば、それは60歳まであと数年となった頃に、徐々にリスクを低下させていく場合だけです。それ以外の期間にしなければならないことは、相場から一時的に避難したりすることではなく、ポートフォリオの資産配分を一定に保つこと。つまり、株価が下落して株式のウエートが下がれば、逆に定期預金や債券などからのスイッチングで株式を買い増すことです。
実際に私は今年初めに定期的なリバランスとして定期預金や債券インデックスファンドの一部を売却し、株式インデックスファンドにスイッチングするリバランスを実施しました。結果的に最近の相場反発の恩恵を大きく受けることになったのですが、それ以上に長期的なリターンの安定に寄与しているはずだと信じています。
今後も相場の大きな変動は常に起こるはずです。しかし、そういった動きに惑わされずに泰然自若としてポートフォリオの配分を維持することがiDeCoでは重要になる。相場急変でも慌てて動いてはいけないのです。
【ご参考】
iDeCoは金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なります。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン、マネックス証券確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン
また、iDeCoは、やや制度が複雑なので解説書を読んで研究するのも良いでしょう。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。