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2018年7月25日

積み立て投資で有利な資産クラスとは―今月の積み立て投資(2018年7月特定口座)



猛烈な暑さですっかり夏バテ気味です。証券会社のサイトにログインするのも億劫な季節ですが、自動積み立てサービスを活用しているので7月も淡々と積み立て投資の買付が約定していました。ところで積み立て投資を実践する際に注意しなければならないポイントの一つに、投資している資産クラスの価格が大きく上昇したからといって、積み立て投資家が大きく儲かるとは限らないということがあります。逆に投資している資産クラスの価格がそれほど上昇しなくても、積み立て投資なら意外と儲かってしまうというケースもあります。では、積み立て投資で有利な資産クラスとは何か。このあたりに積み立て投資の面白さがあります。

7月もとくに変化なく積み立て投資を実践しました。買い付けたファンドもいつもの通りです。

【特定口座(SBI証券)】
「ニッセイ日経225インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.25% 信託財産留保額:なし)
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.189% 信託財産留保額:なし)
「たわらノーロード新興国株式」
(信託報酬:税抜0.34% 信託財産留保額:0.3%)
「Funds-i新興国債券・為替ヘッジ型」
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)
「世界経済インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.1%)
「iTrust世界株式」
(信託報酬:税抜0.89% 信託財産留保額:なし)

さて、積み立て投資に関連して日経新聞の田村正之編集委員が面白い記事を書いていました。積み立て投資で有利な資産クラスは何なのかという一つの考証です。

つみたてNISA、コツコツ効果が高い投信は?(NIKKEI STYLE)

これは非常に面白い分析です。過去20年間で見ると新興国株式が最も大きく上昇しているのですが、積み立て投資をした場合は、米国株式の方が資産の増加が大きいという結果になりました。新興国株式は2007年頃に大きく上昇したため、そのころの積み立て買付で投資家の平均購入価格が上昇する一方で、最近5年間はリターンが5資産中最低だったからです。

もちろん、これは新興国株式が積み立て投資で不利と言う意味ではありません。ポイントは、積み立て投資におけるリターンというのは、積み立てを行っている期間内での値動きの“形”に大きく左右されるということです。だから、例えば現在好調の米国株式だって積み立て投資なら将来の資産増加がそれほど大きくならない可能性だってあります。

だから記事中で指摘されているように「指数の上昇率も積み立て効果も事前予想は困難。迷うなら先進国と新興国に投資できる全世界株型投信を選ぶのも手」ということが結論となる。結局、積み立て投資に有利な資産クラスというのは事後的にしかわからない。だからこそ幅広い資産クラスに投資する国際分散が大切になるということでしょう。そして、その資産クラスがあまり上昇しなくても、積み立て投資なら値動きの“形”次第で儲かる可能性があるわけで、このあたりが積み立て投資の面白さがあるのです。

ちなみに、様々な値動きの“形”をシミュレーションしながら積み立て投資の効果を検証しているのが星野泰平『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」 』。これはなかなか興味深い本です。「つみたてNISA」などをきっかけにこれから積み立て投資にチャレンジしようとしている人も多いと思いますので、関心があれば一読しておいて損はないでしょう。

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