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2017年12月8日
アセットアロケーションの見方―「東証マネ部!」で紹介されました
既にお気づきの方もいるかもしれませんが、日本取引所グループ(JPX)が運営する投資・資産形成情報サイト「東証マネ部!」で紹介いただきました。
投資ブロガー・菟道りんたろうさん「真面目に投資と向き合えばビジネスマンとしての洗練度が上がる」(東証マネ部!)
「投資ブロガーが語るリアル体験」というコーナーです。これまでも先輩格の有名ブロガーさんが次々と登場している名物コーナーなので、私のようにブログを始めてまだ3年目の者が登場していいものか考えたのですが、せっかくの依頼なのでインタビュー取材を受けました。話している内容はブログでも何度か書いていることですが、やはりプロのライターさんはさすがで、上手くまとめてくれました。そんな中、ちょっとだけ注目して欲しいのは紹介されている私のアセットアロケーション。今回は思い切って生活防衛資金も含めた正味のアセットアロケーションを公開してみました。
私はインデックス投資をやりながら個別株投資も続けています。といっても短期での売買ではなく、それこそインデックス投資同様の“ほったらかし”を身上とするバイ&ホールド戦略です。じつはインデックス投資と個別株投資の両方をやっていると、双方のメリット・デメリットが実に明瞭に見えてきます。今回の取材でもそのあたりの話に興味を持っていただいたようです。
そしてなりより私が投資で大切にしていること、それは「あまり儲けることばかり目的にしない」という考え方についても紹介しています。リスク資産への投資は儲けることだけが目的ではなく、資産を守るために「常に異なるカテゴリーの資産を持っておく」ためという考え方です。その意味で記事にもあるように、私は古典的な「財産三分法」の信奉者なのです。
あと、「資本主義のシステム」についての理解が投資には必要だということも強調したことでした。これが理解できていればリスク資産の短期的な値動きなど気にならなくなります。そして、経済に対する構造的な理解ができれば、それはビジネスマンとしての洗練度も確実に高めてくれるでしょう。それもまた投資の効用なのです。
詳しくは記事を読んでいただきたいと思いますが、ひとつだけ新しい情報も盛り込みました。紹介されているアセットアロケーションです。ブログではこれまで主にリスク資産のポートフォリオ配分を紹介してきました。しかし今回はJPXという準公的機関が運営するサイトへの掲載です。そこで誤解を招かないように無リスク資産を含めた正味のアセットアロケーションを公開しました。
なぜかというと、リスク資産のポートフォリオだけを公開して、まるで資産の大部分をリスク資産に投じていると勘違いする人がいては困ると思ったから。いくら投資ブロガーだからといって、そんな無茶なことはやっていません。グラフを見てもらうと分かりますが、私の資産の約半分は現預金・国内債券です(ちなみにリスク資産の中で国内株式のウエートが高いのは、祖父から贈与された株が含まれているからです)。
これは東証マネ部!で紹介されている他のブロガーさんたちも同様でしょう。記事ではリスク資産の配分しか公開していませんが、みなさん、それとは別にしっりと無リスク資産を保有して、アセットアロケーション全体で適正なリスク管理をしているのです。だからこそリーマン・ショックなど歴史的な大暴落を経ても、生き残ってきたのです。
だから、これから投資を始めようと思っている人が「投資ブロガーが語るリアル体験」の記事を読む時には、アセットアリケーションの見方に気をつけて欲しい。株式100%のポートフォリオだとしても、それはあくまでリスク資産の部分だけだということを理解した上で参照するべきです。
ちなみに私のように正味のアセットアロケーションで約半分が無リスク資産というのも、世間一般の基準からすれば極めてハイリスクなアセットアロケーションとなります。つまり、普通の人による投資はもっとリスクを抑えた資産配分で始めるべきということ。ここ数年のように相場環境が良いと、つい現金など無リスク資産を多く持つことは機会損失になるような感覚を持ちがちですが、そういう感覚が最も危険。逆に相場環境が良いときこそ、将来の下落に備えて無リスク資産を多めに持つぐらいでちょうどいいのです。
そういったことも知ってもらいたくて、今回は正味のアセットロケーションを公開してみました。どこまで参考になるか分かりませんが、興味のある方は「東証マネ部!」の記事をぜひ読んでいただきたいと思います。
※東証マネ部!に記事がアップされた段階でアセットアロケーションのグラフが間違って掲載されていました。現在は正しいグラフに差し替えられていますので、既に読んでいただいた方も再度、確認していただくと幸甚です。