2017年3月23日

資産配分管理方法の二大流派―2017年3月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績



SBI証券のプランで拠出している個人型確定拠出年金(iDeCo)の定期買付が約定いましたので定例ウオッチです。拠出開始来の累積リターンは+11.0%となっています(3月21日現在)。ここ数日、日米ともに株価は急激に下げていますが、それまで急ピッチに上げていたわけですから調整があって当たり前です。iDeCoは60歳まで原則換金できませんから、目先の収益率は参考程度に眺めておきましょう。それよりも大切なのは、当初ポートフォリオに設定した資産配分が崩れていないか。とくに相場が大きく動いているときは、資産配分も大きく変化している場合があるので注意したいところです。さて、その資産配分の管理方法にはいろいろなやり方がありますが、二大流派に分けることができるのかもしれません。

現在、iDeCoで買い付けているファンドは以下の通りです(カッコ内は税抜信託報酬)。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoプラン)】
三井住友・DC日本株式インデックスファンドS(0.19%)
DCニッセイ外国株式インデックス(0.21%)
EXE-i新興国株式ファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.142%程度)
EXE-iグローバル中小型株式ファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.124%程度)
インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用)(0.26%)
三井住友・DC外国債券インデックスファンド(0.21%)
三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド(0.52%)
EXE-iグローバルREITファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.138%程度)

改めて見ると、やっぱりSBI証券のiDeCoプランは低コスト。ポートフォリオ全体の信託報酬は0.3%程度です。特に最近は「EXE-i」シリーズが非常に優れた商品だと再認識しています。新興国株式やグローバル中小型株式など低コスト化の難しいアセット分野を海外ETFにファンド・オブ・ファンズで投資するというアイデアで低コスト化したことはもっと評価されてもいいのではないでしょうか。

さて、私はiDeCoとは別に通常の特定口座でもインデックスファンドの積立投資を行っているのですが、それぞれの口座でほぼ同じ資産配分となるポートフォリオを作り、別個に管理しています。リバランスも別個に行うことでアセットアロケーション全体での資産配分も一定になるようにしています。この方法は、やや教科書的なやり方からは外れています。

よくiDeCoやインデックス投資の入門書では、iDeCo口座と通常の特定口座、あるいはNISA口座をアセットアロケーション全体の一部と捉えて、非課税効果を最大化するために期待リターンの高い資産クラスを税制優遇口座に優先的に振り分けていく方法が推奨されています。例えば先進国株式ファンド3万円、国内株式ファンド2万円、国内債券ファンド1万円の計6万円をiDeCo口座と特定口座で毎月購入する場合、iDeCo口座で先進国株式ファンドを拠出額上限の2万3000円購入し、特定口座で先進国株式ファンド7000円と国内株式ファンド2万円、国内債券ファンド1万円を購入するという方法です。これは非常に合理的で、いわば主流派。例えば竹川美奈子さんや山崎元さんもこの方法を推奨しています。私はこのやり方を「アセットアロケーション一刀流」と名付けました。

一方、これと別の資産配分管理法を提唱しているのがカン・チュンドさん。カンさんはiDeCo口座と他の口座を同じ資産配分のポートフォリオにした上で、別個に管理する方法を紹介しています。

どの『おかず』がいいの? 通常つみたて、iDeCo、積立NISA(カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!)
3つの『おかず』を組み合わせると・・通常つみたて、iDeCo、積立NISA(同)

カンさんの考え方はさらに徹底していて、各口座で保有するファンドも同じような資産配分の低コストなバランスファンドにすることさえ提唱しています。これはカンさんがFPとして実際の相談業務を通じて知った投資家の「生の声」から導き出された考え方。というのも、教科書的な資産配分管理法では意外とリバランスなどの手間暇が複雑になるという現実があるからです。たしかにiDeCo口座と通常の特定口座を一体として捉えて管理するには、流動性や限度額の違いなど諸条件を完全に理解した上で、かなり綿密な管理を行う必要があります。とくに投資するアセットクラスの種類が多くなってくると、その複雑さは一段と増します。それなら逆に各口座を別個に管理した方が最終的には簡単だということになる。そういった実践的な認識から生み出されたこの方法を私は「ポートフォリ二刀流」と名付けました。

ちなみに私自身は冒頭で紹介したように「ポートフォリオ二刀流」に属します。私は現在8資産クラスに分散投資しているので、アセットアロケーション一刀流では、リバランスの際の計算が複雑すぎてやる気になりませんでした。しかも特定口座での積立商品はバランスファンドをコアにしているので、カンさんの指摘していることは実感としてよく分かります。どちらかと言うと異端的なやり方だと自覚していたのですが、オフ会などで知り合った他のインデックス投資家さんの中にも意外と「ポートフォリオ二刀流」の使い手がいて、最近は心強くも感じています。

機能の異なる口座にまたがる資産配分管理の方法としては、この「アセットアロケーション一刀流」と「ポートフォリオ二刀流」が二大流派と言えそうです。ただし、その優劣については議論する気はありません。なぜなら、投資というのは投資家個々人が最も心理的かつ肉体的に負担の少ない方法でやるのがベストだからです。合理的な方法でも実践が難しいやり方は一般性が無いし、合理性を完全に無視したやり方は単に頭が悪いだけです。どんな方法でも、その人にとって合理性と実践可能性のバランスがとれていることが大事なのであって、それがその人にとってベストな方法なのです。

今後、iDeCoに加えて積立NISAといった制度も始まる予定です。そうなると、投資家の多くが異なる機能の口座を複数使って資産運用・管理しなければならなくなります。教科書的に推奨される方法はありますが、それにあまり拘泥し過ぎるのも考えもの。そこに負担を感じるようでは投資を続けることはできないからです。やはり自分にとって最もしっくりくる流儀・流派を見つけることが大切になるのです。
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【ご参考】
個人型確定拠出年金は金融機関によって手数料、商品ラインアップがまったく異なりますので、どの金融機関のプランに加入するのかが重要になります。現在、もっともお得なプランの金融機関はSBI証券と楽天証券です。SBI証券は資産残高50万円以上で、楽天証券は同10万円以上で運営管理手数料が無料になり、商品ラインアップも低コストなインデックスファンドが揃っています。
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また、研究のために解説書を読むことも大事です。最新の情報を盛り込んだ解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』を挙げておきます。



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