2015年2月6日

ヘッジファンドへの過剰な期待は幻想

ヘッジファンドといえば、あらゆる相場環境で“絶対収益”の獲得を目的としています。これだけ聞くと「なんだかすごそう」と思うわけですが、ヘッジファンドといえども苦戦する時は苦戦するものです。例えばブルームバーグによると米国の資産家、ジョン・ポールソン氏が創業したヘッジファンド「ポールソン」は、2014年に運営するファンドの大半が大幅な損失を出し、中には年間リターンがマイナス36%となったファンドも(当該記事)。S&P500の2014年の年間リターンが11.39%ですから、出資者も怒ります。このため投資家の大規模な資金引き上げに直面しているそうです(当該記事)。やはり相場の世界は厳しいですね。

2014年はヘッジファンドにとって極めて厳しい年でした。多くのファンドが思うようなリターンを上げることができず、そうなると手数料の高さばかり目立ってしまい、年金基金などがヘッジファンドへの資金拠出を縮小する動きを強めています。ヘッジファンドの誤算について豊島逸夫氏はブログで次のようにまとめています。
ヘッジファンドも昨年は三つの大きな運用失敗を犯した。
1)量的緩和縮小の年は米国債利回り3%以上へ上昇と読み、米国債をショート(売り)した。
2)米国株史上最高値更新を読み切れず、上昇過程で、早めに利益確定に走った。更に、逆張りの売りで攻める失敗例も少なくなかった。
3)米国大手企業が法人税の低いアイルランドなどに登記上の籍を移すための現地企業買収などのM&Aブームにヘッジファンドも乗ったが、米国当局の規制により不発に終わった。(足元では医療関連セクターの大型M&Aブーム再燃の兆しに、再度色めきたっている。)
その結果、米国株式指数を大幅にアンダーパフォームする大手ファンドの例も明らかになった。その結果、米国第一位の州年金基金カルパースや、欧州第三位のオランダ年金基金がヘッジファンド外しを決めた。欧米でも横並び意識の強い年金業界ゆえ、今後拡散の可能性が強い。それを見た富裕層も、解約に動くわけだ。
なんだか一般投資家とあまり変わらない相場の読み違いですね。そもそも相場の世界には“絶対”などというものは絶対にないと考えるべきで、どんな投資手法を用いようと、ごくごく普通の理由で失敗することがあると。そういう意味では相場の神様は平等なものです。結局、“絶対収益”などという言葉は幻想であり、ヘッジファンドに対する過剰な期待も幻想のような気がします。
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