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2019年10月16日
「eMAXIS Slim」シリーズ4ファンドが信託報酬を引き下げ―消費税が無視できなくなるハイレベルな競争に
いずれあるとは思っていましたが、やはり三菱UFJ国際投信が動きました。超低コストインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」の4ファンドの信託報酬を11月24日から引き下げると発表しています。
業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施(三菱UFJ国際投信)
いずれもカテゴリー最安値となりますが、ここで面白い現象が。消費税を考慮するとわずかにカテゴリー最安値とならないファンドも。もはや誤差のレベルですが、低コスト競争もついに消費税が影響するほどハイレベルな競争に突入しました。
今回、信託報酬が引き下げられるのは以下の4ファンドです(カッコ内は引き下げ後の税抜き信託報酬)。
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(0.088%以内)
「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」(0.104%以内)
「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」(0.104%以内)
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(0.104%以内)
いずれもSBIアセットマネジメントの「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」や「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」に対抗した動きです。今回の信託報酬引き下げで「eMAXIS Slim」4ファンドとも税抜き信託報酬はカテゴリー最安値に並ぶことになります。引き続き競合商品のコスト水準に追随するというマーケティング戦略が健在です。
ただし、ここで面白い現象が起こりました。4ファンドとも税抜き信託報酬ではSBIAMの競合ファンドに並ぶのですが、税込み信託報酬ではわずかにSBIAMの2ファンドが下回ります。その秘密は消費税。SBIAMのファンドは海外ETFを通じて投資するファンド・オブ・ETFsであり、海外ETFには消費税がかかりません。そのわずかな差がコスト差となっているわけです。
驚くべきことに、日本のインデックスファンド、パッシブファンドの低コスト競争は、ついに課税コストが影響するほどハイレベルな競争になっているわけです。もはや課税コストが無視できないウエートを占めるまでになったことから「eMAXIS Slim」シリーズとしては、あくまで税抜きの信託報酬で“業界最低水準”を目指すことにしたのでしょう。
ちなみに、課税コストによって生じる差はもはや誤差のレベルですから、個人投資家はとくに気にする必要はないと思います。「eMAXIS Slim」にしろ「SBI・バンガード」「SBI・全世界株式」にしろ、気に入ったファンドを購入して間違いはありません。ただ、日本でも投資信託の低コスト競争がものすごいレベルにまで突入していることを感じさせるエポックメーキングな出来事のように感じ、印象深かったのです。
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