SBI証券のプランで拠出している個人型確定拠出年金(iDeCo)の11月買付(10月拠出分)ので定例報告ですが、あわせて信託報酬引き下げのニュースがあったので併せて紹介します。ニッセイアセットマネジメントのDC専用ファンド「DCニッセイ」シリーズのひとつ、「DCニッセイ日経225インデックスファンドA」の信託報酬が11月16日から引き下げられました。DC専用ファンドでも断続的に信託報酬を引き下げ、いわゆる“インデックスファンドの一物二価問題”を解消しようとしているだけでなく、DC専用ファンドン責務を果たそうとしているニッセイAMの姿勢は素晴らしいと思います。
SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.09889%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.1085%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.058%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」
累積損益率は11月19日段階で+54.2%となり、過去最高値を更新しました。最近の株価の好調と円安による海外資産の円換算額上昇の追い風を大いに享受したことになります。
さて、私は購入していませんがSBI証券のiDeCoオリジナルプランにラインアップされているニッセイAMの「DCニッセイ日経225インデックスファンドA」の信託報酬(税抜)が11月16日付で従来の年率0.169%から0.14%に引き下げられるという連絡が加入者に届いています。
ニッセイAMは8月に私も購入している「DCニッセイ外国株式インデックス」の信託報酬を引き下げています(DCニッセイ外国株式インデックス」が信託報酬引き下げ)。これにより一般販売する実質的に同一ファンドである「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の信託報酬と同じになりました。今回、「DCニッセイ日経225インデックスファンドA」の信託報酬も、やはり実質的に同一ファンドである「<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド」の信託報酬(税抜)0.13%とほぼ同水準へと引き下げられたわけです。
近年、インデックスファンドの低コスト競争が激しくなったことで新規設定も含めた特定のファンドだけでが信託報酬を低下する状態が続いており、それと実質的に同一のファンドの信託報酬が割高な状態で放置されるというインデックスファンドの一物二価問題は深刻さを増しているとさえ言えます。
こうした中、ニッセイAMは“インデックスファンドの一物二価問題”を解消しているわけです。こうした姿勢は大いに評価すべき。ある意味、特定ファンドの信託報酬を引き下げて、信託報酬のカテゴリー最安値を更新することよりも、受益者への忠実義務(フィデューシャリーデューティー)という意味では価値が上かもしれません。なぜなら、実質的同一ファンドの既存の受益者の利益をも尊重することになり、その恩恵にあずかる総数が大きくなるからです。
しかも、DC専用ファンドはiDeCoだけでなく企業型DCでも多く採用されていることを忘れてはいけません。企業型DCの加入者は自由に運用管理金融機関を変更できませんから、自分の加入している企業型DCプランにラインアップされているファンドしか購入できません。だからこそDC専用ファンドの信託報酬が一般販売されるファンドと比べて割高な状態に放置されるというのは極めて問題なのです。
そうしたことを考えると、DC専用ファンドでも断続的に信託報酬を引き下げ、資産カテゴリーで最低水準に近いコストを実現しようとしているニッセイAMの姿勢は素晴らしい。これこそDC専用ファンドを設定・運用する運用会社としてあるべき姿だと思います。こういう姿勢の運用会社が提供するファンドこそ、本当に信用できるファンドであり、受益者も安心して購入・保有を続けることができるでしょう。とくに長期保有が原則となるDCではなおさら。改めてニッセイAMの姿勢を高く評価したいと思います。
【ご参考】(PR)
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン 、マネックス証券確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン
iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。
iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』、山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』、田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』と大江加代さんの『最強の老後資産づくり iDeCoのトリセツ 2022年施行 法改正完全対応版』を挙げておきます。
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