サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2023年4月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の4月の騰落率は+2.39%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+2.63%でした。4月は参考指数を若干アンダーパフォームしていますが、上昇して終わりました。ただ、ピクテは先行きに対して厳しい見方を続けており、市場のコンセンサス予想は楽観的過ぎると指摘しました。
4月は欧米の金融不安がやや後退したことや、米国のインフレにピークアウトの気配が見えてきたことなどを受けて株価も上昇基調で推移しました。主要企業の決算が良好だったことも好感されています。業種別では、コミュニケーション・サービス、生活必需品、ヘルスケア、公益事業などが相対的に大きく上昇しましたが、素材は下落し、資本財・サービス、情報技術なども相対的に低調でした。
比較的堅調な市場の動きとなったわけですが、先行きに対してピクテは引き続き警戒感を強めています。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」5月号で「先進国経済の先行きを巡る不透明感は続く」と指摘します。実際に企業の利益成長率予想はピクテの予想通り下方修正が続いています。また、2024年以降の市場のコンセンサス予想に対しても「楽観的過ぎる」と厳しい見方。このため引き続き株式の投資判断はアンダーウェイト推奨です。
そうした中、期待が持てるのが中国と新興国の株式だとか。中国経済は新型コロナウイルス禍からの回復が順調に進んでおり、これが中国との経済関係が強いASEAN諸国など新興国の経済にも好影響を与えることになります。このため新興国株式は相対的に良好なリターンを得る可能性が高まることになります。私は新興国にもしっかりと分散投資しておくべきという立場ですから、大いに期待したいと思います。
【スポンサードリンク・関連コンテンツ】