サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2023年4月次運用報告書が出ていたので定例ウオッチです。4月の騰落率は+1.19%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+2.70%でした。純資産残高は4月28日段階で1451億円(前月は1437億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は7319億円(前月は7259億円)となりました。残念ながら4月は参考指数をアンダーパフォームしています。また、保有銘柄に大きな変化が。組入れ比率1位に楽天銀行が登場しています。
4月は米国の地銀の経営危機による信用不安が続くなど悪材料もありましたが、中央銀行による流動性供給強化などもあって、悪材料をある程度は消化したマーケットの動きとなっています。日本株に関してはウォーレン・バフェットが日本株の追加購入を発表したことなどが好感され、堅調な動きとなっています。
ただ、米国の金融セクターへの不安の影響で、日本株も成長株に積極的に投資するような雰囲気ではなく、バリュー株が物色される地合いです。こうした状況下、「ひふみ投信」の最高運用責任者である藤野英人さんは「ひふみは成長株の比率が高いことで長期的なパフォーマンスを維持してきた実績もあり、また成長株投資をうたっているのでこのような局面では弱い傾向があります」と素直に書いていました。
それでも米国の金利環境が緩和し、半導体セクターなどの市況が回復すれば、ふたたび成長株への買いが回復するというのが藤野さんの見立てです。このため現在のポートフォリオを見ても、引き続き通信や半導体関連株の組み入れを続けていることが分かります。
現在のポートフォリオを見て驚いたことがもうひとつ。組入れ比率1位に4月に上場したばかりの楽天銀行が登場しました。これに関して藤野さんは「楽天銀行は相場環境の影響を受けて非常に割安だったので、ひふみで大きく投資をしました。ネット銀行の先行きは他の金融セクターに比べれば非常に明るく、マーケットのセンチメント(市場心理)に流されず長期投資の好機会であると判断しました」と説明しています。
かなり思い切った投資判断だと思いますが、こういった大胆な投資ができるのもアクティブファンドの面白さです。吉と出るか凶と出るか、受益者としては大いに気になるところですので、ウォッチしていきたいと思います。
【ご参考】
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