5月から職場もクールビズとなり、服装もだんだんと夏の装いとなってきました。スーツを着ることが減り、ジャケットにスラックスやチノパンで通勤する日が増えてています。そうなると気になるのが足元。さすがにレースアップのドレスシューズだと、少し重たくなってきます。最近はスニーカーを合わせることも多いのですが、そこまで外さずにコーディネートしたい日も多い。そんなわけで、きちっとしたレザーのローファーが欲しくなり、新しく買ってしまいました。今回購入したのはユニオンインペリアルのタッセルローファーです。
ローファーにはいくつかデザインがあります。その中でもっともドレス度が高いのがタッセルローファー。米国で学生時代にローファーを愛用したアイビーリーグ出身者が社会人になっても履き続けたことから、現在ではビジネスシーンでも定着しています(米国では“弁護士の靴”と言われているとか。アイビーリーグ出身者が法曹界に多かったからです)。やはり仕事の際にも履くことを考えて、今回はタッセルローファーを買うことにしました。
ただ、ローファーはレースアップのように着用時に靴紐を締め上げてのサイズ調整ができませんから、フィッティングが非常に難しい革靴です。このため試着が不可欠なのです。足長だけでなく、踵のホールド感、そして甲のフィッティングがポイントになります。踵と甲のホールドがゆるいと歩く際にパカパカなってカッコ悪いからです。今回、自分の足に合うローファーを求めて、いくつかのブランドを試すことに。グッドイヤーウェルト製法で、アッパーだけでなくインソールやライニングにも天然レザーが使われているものを選びました。
まず最初に試したのはバーウィック1707の「849」。アッパーにはフランスのデュプイ社のカーフが使われており、しなやかさと非常に色気のある風合いに惹かれました。さっそく試着してみたところ、甲はジャストサイズ。しかし残念ながら踵のホールド感が少し緩い。欧米人と比べて日本人は踵が小さいので、どうしても欧州メーカーの革靴は日本人にとって踵がゆるいものが多いのです。
次に選んだのはリーガルの「12VR」。アッパーの革のタンナーや種類は不明ですが、恐らく上質のキップあたりでしょう。かなりしなやかな革質です。試着してみたところ、さすが日本人の足型を研究している日本メーカーだけあって踵のホールドはばっちり。ただ残念なことに甲が少し緩い(試しにタンパットを入れてみると完璧なフィッティングでした)。また、ライニングがレザーではなくクロスなのも気になります。
次に向かったのがユニバーサル・ランゲージ。ユニバーサルランゲージはいくつかの本格革靴メーカーの別注モデルを販売しています。そこで見つけたのがユニオンインペリアルの「UR199」。アッパーはフランスのアノネイ社のボックスカーフ。ベトナム縫製ですが、丁寧な作りはいつものユニオンインペリアルです。ただ、別注モデルはオリジナルと比べるとインソックなどの革質がやや落ちるほか、ラバーのアウトソールもダイナイトソールなどではなく自社オリジナルにするなどコストダウンが図られています。そのかわり、オリジナルより少し安いのが魅力です。試着してみたところ、足長と踵のホールドは完璧。やはり日本メーカーです。ただ、甲が少しきつい。
3ブランドを試着してみて、どうしようか迷っていたのですが、ここで少し考えました。三つともグッドイヤーウェルト製法ですから、必ずインソールの沈み込みが起こります。それを計算に入れると、新品の状態で甲が少しきつい方が、足に馴染んだときにジャストサイズになるのでは。逆に新品の状態で甲がゆるいのは、履き込むとますます緩くなります。そして踵のホールド感は変化の余地がありません。そう考えるとユニオンインペリアルの「UR199」が答えということになります。
そんなわけで、ユニオンインペリアルのタッセルローファー「UR199」を購入。私にとっては4足目のユニオンインペリアルとなります。これから履き込んで、フィッティングがどのように変化していくのでしょうか。また、今回はブラウンを選んだので、アノネイの革の経年変化も楽しみです。しっかりと手入れをして長く履いていきたいと思います。
【ご参考】
スーツスクエア(ユニバーサルランゲージ×スーツカンパニー)は、ユニオンインペリアルのほかにジャランスリワァヤやコールハーンなど革靴メーカーの別注品を扱っており、意外と狙い目です。ネットからも購入できるので気になる人はいろいろと探してみてもいいでしょう。⇒ザ・スーツカンパニー×ユニバーサルランゲージ公式通販 。
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