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2021年12月18日

債券に魅力なし―「iTrust世界株式」の2021年11月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2021年11月次運用報告が出ました。「iTrust世界株式」の11月の騰落率は-1.19%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は-0.55%でした。前月に続いて参考指数を大幅にアンダーパフォームする残念な結果となっています。市場は新型コロナウイルスの新たな変異株、オミクロン株の登場で先行き不透明ですが、それ以上に警戒するべきは債券価格のようです。

11月の株式市場は月初こそ新型コロナウイルスの経口治療薬実用化への期待などで堅調に推移しましたが、月末にかけてオミクロン株の報告から先行き警戒感が高まり、下落に転じました。業種別では情報技術、一般消費財・サービス、素材などが上昇しましたが、エネルギー、金融、不動産などは下落しました。

オミクロン株への不安が続いていることで12月に入ってからも不安定な相場が続いています。「iTrust」シリーズの受益者に配信する機関投資家向けレポート「Barometer」12月号では「オミクロン株に身構えるべきか」と題してピクテの分析が示されている。それによると、懸念は確かにあるものの、各国の対応がデルタ株のときよりも迅速になっていることから、「経済活動も直ちに完全再開とはいかないまでも、世界は経済活動再開と経済正常化に向けた道を着実に歩んでいる」としています。

一方、懸念材料が多いのが債券です。経済正常化に合わせて各国の中央銀行が金融緩和の縮小を進めることがほぼ確実なため、債券価格の下落=金利上昇となる可能性が高い。しかも現在のインフレ率上昇の状況を考えると中長期国債への投資で期待できる収益は魅力的な水準にはありません。社債に関してもピクテは「2022年の米国投資適格社債のトータルリターンはマイナス圏に沈むことが予想されます」と指摘しています。ハイイールド債の環境も悪化しています。ただ、中国国債にはまだ投資妙味があるとの指摘が興味深い。「強力な構造改革などを背景に、人民元の堅調な推移が見込まれること」が理由だそうです。さて、実際はどうなることか。

2022年もあとわずかですが、引き続き不安定な相場が続きそうです。依然としてボラティリティの高い局面が続きそうですから、しっかりとシートベルトを締めて投資することが重要になりそうです。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プランauカブコム証券確定拠出年金プラン




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