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2021年4月10日

「コーヒーフロート戦略」は成功するか―ひふみ投信の2021年3月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2021年3月次運用報告書が出ました。3月の騰落率は+5.04%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+5.71%でした。純資産残高は3月31日段階で1474億円(前月は1393億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は6746億円(前月は6239億円)となりました。前月に続いて参考指数をアンダーパフォームしていますが、大負けした2月と比べると差を縮めており、ポートフォリオの組み換えが成果を上げ始めたようです。現在のポートフォリオ戦略を「コーヒーフロート戦略」と呼んでいるのだとか。はたして成功するのか。大いに気になるところです。

3月は米国の長期金利上昇などが相場の重しとなる一方で、ワクチン接種の進展などを背景に経済正常化への期待も高まってきたことや経済指数で良い数字が出たことなどが好感されて推移しました。そこに金利上昇に落ち着きも出てきたことから、月間ベースでは株価も大幅上昇となるなど堅調に推移しました。

こうした中、「ひふみ投信」は2月に参考指数に対して大幅なアンダーパフォームとなったことからポートフォリオの組み換えを進めているようです。曰く「コーヒーフロート戦略」だとか。最高運用責任者の藤野英人さんは次のように説明しています。
コーヒーの部分は地味で地道な会社―製造業、バリュー株で構成し、上のソフトクリームの部分はITやニューエコノミー等のグロース株という構成です。今までももちろん両方を組み入れており、ソフトクリーム(グロース株、ニューエコノミー)にウエイトをかけていたのが2020年型だったわけですが、しばらくはコーヒー(バリュー株、地味な製造業)のウエイトを上げていく必要があると考えています。
このため3月は重厚長大産業や商社、さらには遊園地、旅行関連などアフター・コロナを視野に入れた銘柄も組み入れているとのことです。いまだに新型コロナウイルス禍は収まる気配はないのですが、それでもワクチン接種も進み始めましたから、「世界的にも感染の拡大ペースが抑えられていくことが期待されており、その場合はコト消費といわれる体験型の消費が爆発的に活発になることが予想されます」というのが現在の目論見となります。

その意味で、現在は“仕込み”の時期と言えそうです。コーヒーフロートのコーヒーの部分をしっかりと仕込んでおいて、フロートのソフトクリームが融けたときには、たっぷりとコーヒーの部分を味わえるようになって欲しいものです。新型コロナの状況次第で市場のキャラクターが急激に変わるパターンが続いているので、この「コーヒーフロート戦略」が成功するかどうか、受益者の1人として大いに期待したいと思います。

【ご参考】
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