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2018年12月21日
これからは「口数」を増やすターン
2018年もあとわずかです。リーマン・ショックからの10年間、世界経済は順調に回復し、株式投資をしていた人にとっては素晴らしい時期が続いたのです、今年1年間の相場を見ていると、どうやら上昇トレンドも終わったかように感じます。相場のことは基本的に予想不可能ですが、やはりこれからは下降トレンドが続くことを覚悟しておくべきでしょう。そうなると積立投資にとっても厳しい局面となるのですが、そこでこそ発想を転換することが重要になります。株価が下降トレンドとなれば、それは積立投資家にとって「口数」を増やすターンに入ったと考えることがでます。
基本的なことなのですが、投資信託による保有資産額というのは基準価額×1万口単位の保有口数となります。このため投資信託を通じてリターンを上げる経路は2つしかありません。一つは「基準価額が上昇する」、もう一つは「保有口数が増える」です。例えば基準価額が低下していても口数が増えていれば利益が出るというのが投資信託の面白いところ。
そして口数を増やすためには、基準価額が低いときに購入する方が有利になります。そう考えると、株価下落などで基準価額が低下していく状態でも積立投資などによって投信信託の購入を続けることは、まさに口数を増やすための重要な手段だということ。ここに積立投資という手法の眼目がある。
だから今後、相場が低迷して下降トレンドが続いたとしても、それは「口数を増やすターン」に入ったと積極的にとらえることができます。そう考えると、今年から積立投資をスタートさせた人というのは、まずはじっくりと口数を増やすターンから投資を始めたことになります。考えようによっては、良い時期に積立投資を始めることができたのかもしれません。
あらゆるリスク資産というのは、右肩上がりに価格が上昇し続けるということはまずありえません。絶えず上昇と下落を繰り返す。上昇すれば投資している人すべてが儲かる。しかし、下落局面でどうするか。そこで口数を増やすという経路を確保している投資家こそが、長期投資においてはより多くのリターンを得ることになります。少なくとも私自身は、そういった鷹揚な気持ちで積立投資を続けています。
※「もし投資している間、ずっと下落トレンドが続いたらどうするのだ?」という指摘もあると思いますが、その場合はどれだけ口数が増えていても間違いなく損をします。そして、株価などが将来的に下落し続けると思う人は、リスク資産に投資などしてはいけません。現預金や個人向け国債で運用してください。それも資産形成における一つの立派な見識ある行動です。
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