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2018年12月19日

これからは日本株の時代か―「iTrust世界株式」の2018年11月の運用成績



サテライトポートフォリオで少しだけ積立購入しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2018年11月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の11月の騰落率は+2.36%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+2.25%でした。厳しい相場が続いていますが、参考指数をアウトパフォームする堅調な成績となりました。いよいよ本領発揮かもしれません。そんな中、ピクテは米国株に対して一段と厳しい見方を示しているのが気になるところ。案外、これからは日本株の時代になるのかもしれません。

11月の株式相場は、10月の大幅下落からの値戻しもあり、上昇傾向でした。ただ、中旬以降はハイテク株の収益性への不安や原油下落を嫌気して下落傾向となります。セクター別では、ヘルスケアや電気通信サービスが大きく上昇し、一般消費財・サービスや資本財・サービスも市場全体を上回る上昇率となりました。金融や公益事業は堅調にでした。エネルギーは大きく下落し、情報技術もマイナスでした。

これまで世界の株式市場をリードしてきた米国株ですが、明らかに変調の兆しです。「iTrust」の受益者に配信されるピクテの機関投資家向けレポート「Barometer」2018年12月号によると、ピクテは米国株に対してかなり厳しい見方をしていて「米国株式はアンダーウェイトを維持します。米国企業の利益成長率は、今年の23%に対し来年は7%と、世界の主要地域で最も大幅な落ち込みが予想されます」と指摘しています。

一方、投資妙味があるとするのが日本株。「日本株式は引き続き選好します。日本経済は輸出の伸び悩みに苦戦しているものの、株式市場のバリュエーションは、依然、魅力的です。日本企業の債務比率が低いことも好材料で、EBITDA(利息、税金、減価償却前利益)に対する純債務比率は平均1.48%と、他の先進国を下回ります」とのこと。確かに日本企業は借り入れが少なく、それは収益最大化に向けてレバレッジが効いていないという弱点でもあるのですが、今後予想される金利上昇局面では大きな強みに転じることは十分にあり得ます。

ちなみに日本株に対する期待としては、楽天証券経済研究所の窪田真之所長も興味深い分析記事を書いていました。

日本株、平成後は飛躍の10年 改革結実(NIKKEI STYLE)

振り返ると2018年は個人投資家の間で米国株への投資が大いに盛り上がった年でした。それほどここ数十年の米国株のパフォーマンスは素晴らしかった。そして日本株に対してはネガティブな言説が一段と増えました。しかし一方で、ピクテや窪田氏のような見方があることを知っておくのは無意味なことではありません。やはり相場においては「人の行く裏に道あり花の山」ということが往々にしてあるからです。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プラン



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