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2024年8月28日

日本人は2%のインフレに耐えることができるか―「iTrust世界株式」の2024年7月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ保有しているピクテ・ジャパンの低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2024年7月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の2024年7月の騰落率は-8.82%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は-5.5%でした。前月まで好調な運用が続いていましたが、7月は参考指数を大きくアンダーパフォームしてしましました。

7月は、6月の経済指標が冴えなかったことから景気の先行き不安が高まり、株価は下落基調で推移しました。とくにこれまで相場を牽引していたハイテク銘柄が大きく下げたことの影響が大きかった。このためハイテク銘柄を多く保有していた「iTrust世界株式」は、参考指数よりも下落が大きくなっています。

今後の先行きに関しても楽観論が後退してきました。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」8月号によると、ピクテはこれまでオーバーウェイト推奨だった株式をニュートラルに下方修正しています。逆にキャッシュはアンダーウェイトからニュートラルに引き上げています。

そんな中、ちょっと気になった点があります。ピクテは日本株に対しては引き続きオーバーウェイト推奨なのですが、その理由として企業のガバナンス改革の進展や国内のデフレスパイラル脱却など中長期的な投資テーマがあることに加えて、「緩和的な金融政策と円安の恩恵が株価のサポート材料になる」としていることです。しかし、この予想は8月に入って日銀の金融政策の方向性が変わったことでかなり認識の変更を余儀なくされるのでは。その意味で来月のレポートが要注目です。

もうひとつ、ピクテ・ジャパンは面白い動画を上げていました。投資アナリストの岡崎良介さんへのインタビューです。日銀の政策変更や8月の日本株大暴落を踏まえ、「2%インフレにも耐えられない日本」というユニークな視点を提示しています。100%同意はできませんが、いろいろと考えさせられる内容がありました。参照して損はないと思います。





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