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2023年8月18日

リセッションへの懸念は後退―「iTrust世界株式」の2023年7月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2023年7月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の7月の騰落率は+0.33%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+1.4%でした。残念ながら参考指数に対してアンダーパフォームしています。一方、株式市場の市況は好転の兆しが。世界的な景気後退(リセッション)への懸念は後退しつつあるというのがピクテの見立てです。

7月の株式市場は米国の金利上昇や中国の消費低迷への懸念から下落してスタートしましたが、その後は米国の物価上昇圧力の鈍化や好調な企業業績が好感され上昇基調に転じました。業種別でもすべての業種が上昇し、とくにコミュニケーション・サービス、エネルギー、金融、素材などが相場を牽引しています。

これまで慎重な見方が強かった株式市場ですが、ようやくここにきて好転の兆しが見えてきたようです。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」8月号によると、「経済の強靭性を示唆する指標が一部で確認されており、景気後退(リセッション)を回避できる確率は上昇している」というのがピクテの見解です。ユーロ圏株式に対しては悲観的な見方を継続していますが、中国を除く新興国の経済成長が先進国のそれを大きく上回る見通しとなっていることが好材料。中国の景気回復は遅れていますが、こちらも今後の景気浮揚策への期待があります。

このためピクテは、これまでアンダーウェイト推奨だった株式への投資判断をニュートラルに引き上げました。また、債券のオーバーウェイト推奨を継続する一方、キャッシュはアンダーウェイトへと判断を引き下げています。業種別では、情報技術セクターの割高感が高まっていることから投資判断をニュートラルに引き下げ、逆に安定した金利収入が見込める環境となった金融セクターをニュートラルに引き上げています。

ただ、気になる指摘もあります。「米個人投資家協会(AAII)が発表した直近の投資家センチメント調査でも、株式に強気の投資家と弱気の投資家の比率(ブル・ベア・スプレッド)が歴史的に見て高水準に上昇しており、過度に楽観的(ユーフォリア)な領域にあることが
示唆」されるとか。このあたり、まだまだ楽観はできないということでしょう。こういう時こそ、個人投資家もシートベルトをしっかりと締めて市場に臨むべきだということを改めて感じます。




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