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2023年7月27日

先進国と新興国の成長率に格差―「iTrust世界株式」の2023年6月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2023年6月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の6月の騰落率は+7.14%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+7.84%でした。大幅な上昇となりましたが、残念ながら参考指数に対しては若干のアンダーパフォームとなりました。ピクテの分析によると、引き続き日本株に対して好感する一方、ここにきて先進国と新興国の経済成長率に格差が生じていることに注意を促しています。

6月の株式市場は前月からのAI関連銘柄への買いが継続したほか、米国の債務上限問題など懸念材料が解消に向かったことで上昇基調で推移しました。業種別では、すべての業種が上昇し、とくに一般消費財・サービス、資本財・サービス、素材などが相対的に大きく上昇しました。一方、公益事業や生活必需品、コミュニケーション・サービスなどは相対的に小幅な上昇にとどまっています。

好調な市場環境が続いていますが、「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」7月号を読むと、ピクテは依然として慎重な姿勢を継続しています。注目のAI関連銘柄に対しても「過度な期待は禁物」と釘を刺していました。また、ここにきて先進国と新興国の経済成長率の格差が拡大していることにも注意を促しています。ピクテの分析では、2023年の先進国の経済成長率が約1%にとどまる一方、新興国は約4%となる可能性があります。これは過去の平均を上回る差だとか。ただし、中国経済には減速の兆しが見えるとも指摘します。

こうしたことを考えると、やはり先進国一本槍の投資判断はしずらいでしょう。ピクテも新興国株式(中国除く)のオーバーウェイトを推奨しています。日本についても経済成長率は、長期トレンドに逆行して潜在成長率を上回って推移しており、2023年通年の成長率は1.5%程度になると予想していました。日本人以上に海外の投資家は日本株に対して強気の見方をしていることがよく分かります。やはり2023年も分散投資が重要になりそうです。




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