先日、ブログでも書いたのですが今年から職場の労働組合で委員長を務めています。最初の大事な仕事が春闘だったのですが(関連記事:「只今、賃上げ闘争中」)、なんとか今年も賃上げを勝ちとることができました。4月から少しだけですが給料が増えました。
今年の春闘は、昨今の物価上昇への対応として最近のインフレ率に見合うだけのベースアップを勝ち取ることが目標でした。このため例年以上に強気の数字を要求しました。勤務先はコロナ・ショックによる業績低迷からまだ完全には回復していないため、会社側はかなり難色を示したのですが、交渉の結果、組合の要求からは大きな乖離があるものの、一定のベースアップを勝ち取ることができました。
ただ、世間一般の水準と比べれば、今回勝ち取ったベースアップの金額など微々たるものです。このあたりが零細企業で働く者の悲しいところ。でも、たとえわずかでも基本給が上がるというのは大切なことなのです。そして、それが実現したのは、やはり労働組合があったからにほかなりません。
よく「いまどき労働組合など無意味」などとイキったことを言う人がいますが、はっきり言って世の中をなめている。「労働組合なんてなくてもいい」と言えるのは、その人がまだ恵まれた労働環境にいるからです。私のようにいつ倒産してもおかしくないような中小零細企業で働いていると、労働組合がなければ、それこそ恐ろしいことになります。
資産形成でいちばん大事なことは、本業を頑張って収入を増やすことだとされます。しかし、企業は利潤追求を目的とした組織ですから、よほどのことがない限り従業員の賃金を無条件で引き上げるインセンティブなどありません。だからこそ労働運動を通じた賃金交渉が必要になる。労働運動は、自分の労働力を高く売るための価格交渉です。これもまた、“本業を頑張る”ということなのです。
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