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2023年4月30日

ファンドのコストは総経費率で比較する時代に―今月の積立投資(2023年4月特定口座)

 

早いもので4月も終わり、ゴールデンウィークに突入します。今年は娘を連れでどこに行こうか、いろいろ思案中(もっとも、まだ1歳5カ月なので、そんなに遠出はできません)。ということで、4月も自動積立でファンドの買付が完了していました。

今月買付けたファンドは以下の通りです。いつもと変わりありません。

【特定口座(SBI証券)】
「ニッセイ日経225インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.25% 信託財産留保額:なし)
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.093% 信託財産留保額:なし)
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」
(信託報酬:税抜0.17% 信託財産留保額:なし)
「Funds-i新興国債券・為替ヘッジ型」
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)
「世界経済インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.1%)
「iTrust世界株式」
(信託報酬:税抜0.89% 信託財産留保額:なし)

さて、このブログでもファンドのコストは信託報酬を記載しているのですが、今後はその他経費も加えた「総経費率」で比較する時代になりそうです。日本経済新聞に次のような記事が載っていました。


投資信託は低コストであることが望ましいのですが、信託報酬はコストの一部にすぎず、その他の費用を加えた真のコストである「総経費」をみることが重要という指摘です。

こうした指摘が出てきた背景には、やはりここ数年でインデックスファンドの信託報酬が劇的に下がったことがあります。以前であれば総経費率に占める「その他経費」の割合は小さく、信託報酬と総経費率の差も誤差程度の問題として看過することができました。しかし、信託報酬が劇的に低下した現在、「その他経費」が総経費率の中で無視できないウエートを占めるようになっているのです。

また、これまで慣例として信託報酬に含められていた様々な経費を「その他経費」として外部化することで、表向きの信託報酬を低くするという動きも顕在化しています。例えば日興アセットマネジメントが設定した「Tracersオールカントリー」は驚異的な信託報酬の低さで注目されましたが、これまで信託報酬に含めていたファンドの計理業務や目論見書・運用報告書の作成にかかる費用、対象指数の商標使用料などを「その他経費」として信託報酬から除外しています。このため、恐らく「Tracersオールカントリー」の信託報酬と総経費率は、かなりの差が生じるのではないでしょうか。

こうしたことを考えると、今後はファンドのコストは信託報酬ではなく総経費率で比較する時代になりそうです。2024年4月からは購入時に開示される目論見書にも総経費率が記載されるようになります。ただ、正確な総経費率は決算後に判明するため、新規設定のファンドの場合は、やはり最初の決算までは様子見するというセオリーがますます重要になりそうです。また、総経費にも含まれない費用(売買委託手数料、有価証券取引税など)も存在しますから、これらを含んだ実質コストもいままで以上に注視する必要があります。

こうした情報は、現在でも運用報告書に記載されています。やはり運用報告書にしっかりと目を通すという、あたりまえだけれども実際は軽視されがちなことをきちんとやることがファンド保有者には必要だということです。




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