トリッカーズといえばカントリーブーツ「ストウ」「モールトン」が有名ですが、もう一つ人気なのが短靴タイプの「バートン」。先日、ちょっと思うところがあって「バートン」を購入しました(購入動機については追々別の記事で書くつもりです)。そこで、まずは簡単な紹介とレビューです。
今回購入したバートンですが、保有しているストウと同様にダイナイトソールのタイプです。やはりカントリーシューズはちょっとした雨でもガシガシ履きたいので、ラバーソールが気楽なのです。カラーはマロンにしました。短靴はブーツよりもドレス寄りなスタイリングに使えるのでエイコンやシーシェードよりもさらに落ち着いた色を選びました。
実際に履いてみると、「バートン」も素晴らしい靴でした。やはりブーツ同様に堅牢さがずば抜けている。使われている革も上質です。アッパーだけでなく、ライニングやインソールも抜かりがありません。デザインは見ての通り。張り出したコバ、丸みを帯びたトゥ、それでいてドレッシーなメダリオンとパーフォレーションが施されることで、武骨さの中に優雅さを失わない。これぞ英国紳士の普段着の足元を飾るにふさわしい質実剛健の英国靴です。
もう一つ気に入ったのがラスト(木型)。ストウやモールトンのラストは「4487S」ですが、バートンには「4444」が採用されています。「4487S」と比べると「4444」はやや余裕のある作りで、幅が少し広く、その代わりに土踏まずの部分を絞り込むことで足をホールドする形状になっています。このためサイズ選びではストウやモールトンよりもワンサイズ落とすのが定石とされています。実際に私もストウはUK7.5(26㎝)を履いていますが、バートンはUK7(25.5㎝)でジャストサイズでした。
このラスト「4444」が、私の足にぴったりでした。幅、甲の高さ合っており、まさに足を包み込むような履き心地です。もっと履き込んで中底の沈み込みが起こればフィット感がさらに高まることが期待できます。欧州製の革靴は幅広甲高が多い日本人にとってラストが合わないことが多いのですが、トリッカーズのラストはどれも日本人でも履きやすく、それが人気の秘密でもあるのですが、なかでもバートンはとくに日本人の足の形に合いやすいと思います。
短靴はブーツと比べて服装にも合わせやすい。ジーンズなどカジュアルスタイルはもちろん、ジャケパンスタイルでも外しアイテムとして重宝しそう。また、さすがに夏に履くのは難しいですが、春までは十分に活躍できます。そして、カントリーブーツと同様に、バートンも一生モノの革靴です。今回選んだマロンは経年変化も出やすい色のため、これからどのように育っていくのかも楽しみ。これから大切に、でもガシガシと履き込んでいきたいと思います。
トリッカーズを買うなら並行輸入品が狙い目
さて、以下はトリッカーズが気になった人へのちょっとしたアドバイスです。トリッカーズは正規輸入品の値段が上昇していますが、ネットショップなどで並行輸入品がかなり売られており、これが安い。カントリーブーツの「ストウ」なら5万円台、短靴の「バートン」なら4万円台で購入できます。
なぜ並行輸入品がこれほど安いのかというと、そもそも日本の正規輸入品の価格がおかしいのです。英国のトリッカーズ公式サイトを見ると、2023年4月時点で「ストウ」の本国でのプロパー価格は500ポンド台、「バートン」は400ポンド台です。1ポンド160円としてもストウが8万円台、バートンが7万円台です。しかも靴というのは在庫リスクが大きく、トリッカーズといえども定期的にセールをしており、英国の公式アウトレットでは「ストウ」が300ポンド台、「バートン」が200ポンド台で販売されています。
だから、値上げ前に仕入れた日本の並行輸入業者が5万~4万円で販売しても不自然ではありません。実際に私が購入しているのも並行輸入品です。値上げ前は「ストウ」でもセールなら3万円で購入できました。今回購入した「バートン」は4万円台です。正規輸入品と比べて、品質になんら問題もありません。また、革靴は比較的偽物を作りにくいアイテムです。
ですから、ちょっとトリッカーズが気になった人は、まずは並行輸入品を試してみていかがでしょう(サイズ感が分からない人は、ちょっと申し訳ないですが、百貨店などで試し履きしてサイズを確認した上で、ネットで購入すればいいのです)。検索してみたところ、Amazonでもたくさん売られていますので、いくつかリンクを張っておきます。
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