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2022年8月29日

無知ならば、人に話す前に人の話を聞け―今月の積立投資(2022年8月特定口座)

 

8月の積立投資の定例報告です。最近は「つみたてNISA」口座で積立投資をしている人が多いと思いますが、私は「つみたてNISA」が創設される前に一般NISAで個別株を運用していたので、積立投資は相変わらず通常の特定口座で実践しています。ただ、ここにきてNISAの拡大・恒久化の話も出てきたので、いよいよ「つみたてNISA」を使うことも健闘しようか考え始めました。それとNISAに関連してですが、Abemaニュースで経済ジャーナリストの荻原博子さんとひろゆきが対談している動画が公開されていますが、これがひどい対談でした。内容のひどさに加えて、そもそも対話するための前提がなってないのです。

今月買付けたファンドは以下の通りです。

【特定口座(SBI証券)】
「ニッセイ日経225インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.25% 信託財産留保額:なし)
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.093% 信託財産留保額:なし)
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」
(信託報酬:税抜0.189% 信託財産留保額:なし)
「Funds-i新興国債券・為替ヘッジ型」
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)
「世界経済インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.1%)
「iTrust世界株式」
(信託報酬:税抜0.89% 信託財産留保額:なし)

いまとなっては、時代遅れの感のあるポートフォリオと商品選択ですが、思い切ってポートフォリオを入れ替える作業が億劫になってしまい、自動積立に任せて続けています。

さて、さきほど話題にした荻原・ひろゆき対談ですが、はっきり言って聞くだけ無駄の内容です。まず、荻原さんがテーマであるNISAやiDeCoについて決定的に無知。そもそも制度の仕組みを理解していません。仕組みを理解していないのに、無理に何か言おうとするから、ひたすら頓珍漢になるのです。

一方、ひろゆきもまたところどころに勘違いがある。例えば「iDeCoも条件を満たせば途中解約できる」などと言っていますが、その条件は極めて限定的で特殊なものですから、これは荻原さんが言うように「原則、途中解約できない」というのが正しい。しかし、だから「iDeCoはダメだ」と言ってしまう荻原さんは、やはりiDeCoが年金制度であり、年金運用とはどういったものなのかをまったく理解していないわけです。

結局、お互いに十分に理解していないところがあるにもかかわらず、恥ずかしげもなく話をしているところが、対話の作法としてなってないのです。無知ならば、人に話す前に人の話を聞けと。それが対話というものでしょうが。

ちなみに、2人の対談を聞いていたスタジオコメンテーターの中で、森永卓郎はそこそこ問題を理解しているにもかかわらず、自説の宣伝を紛れ込ます下心が強すぎて、やはり聞くにたえない。ある意味、最初から頓珍漢なことを言っていると分かる荻原さんよりも有害でしょう。食料を自給自足って、いったい何歳まで畑仕事に体が耐えられる考えているのだろうか。

スタジオコメンテーターの中で、もっとも問題を正確に理解していたのは元経産官僚の宇佐美典也さんでしょう。だから、荻原さんが話しているときは、つねに失笑。でも、宇佐美さんは自分の知らないことに関しては発言しません。だから、いつも発言自体が少なくなる。そして、少ない発言は、制度をしっかりと理解した上での「常識論」に落ち着くのです。それは番組映えしないけれども、いちばん納得できるものでした。

それにしても、そもそも萩原さんのようにテーマについて無知な人間を呼んで話をさせるという番組の作り方が極めて不真面目で、やはりなってない。NISAやiDeCoを活用した資産形成・運用については、それこそ専門家がたくさんいるのだから(例えば、竹川美奈子さんや大江加代さんとか)、そういう人を呼んで真面目に議論すべきなのです。

結局、いまだマスメディアにおいて資産形成・運用という話題はゴシップ的な娯楽コンテンツとして消費されていることがよく分かります。そういうメディアの不真面目な態度が、日本人の金融リテラシーにどれだけ害悪を流してきたのかがよく分かりました。はっきり言いますが、現在の若者や現役世代にとって資産形成・運用や老後資金の準備は、遊びじゃない。真摯で、ときには悲壮なものなのです。それを不真面目に扱うな。そんな思いでいっぱいです。




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