SBI証券で運用している個人型確定拠出年金(iDeCo)の9月の買付(8月拠出分)が約定していました。あいかわらず相場の方も堅調で、iDeCo口座の評価額も増加しています。ところで、ここにきて再び年金制度に関する政策論議が大きくなってきました。こうなるといろいろと不安や不満も出てくるのですが、ひとつ大事なことがあります。それは、私たちにとって時間は有限だということ。だからこそ、今は現行制度の中でできることをやるのが大切だと思うのです。
SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.1095%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.075%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」
累積損益率は9月19日段階で+38.7%となり、再び過去最高水準にまで増加しています。ここにきて日本株インデックスファンドの上昇が大きく、やはり幅広い国・地域に分散投資することの意味を実感しています。
さて、iDeCoはあくまで公的年金制度に付随した制度ですが、その公的年金に関して再びいろいろな議論が出てくるようになりました。口火を切ったのは田村厚生労働大臣による発言です。
基礎年金の水準低下抑制 厚労相「低所得者に手厚く」(日本経済新聞)
田村大臣の発言の意図がどこら辺にあるのかは分かりにくいにですが、恐らくヒントは既に厚生労働省の社会保障審議会年金数理部会が2020年12月に出している試算でしょう。
第86回社会保障審議会年金数理部会議事録(厚生労働省社会保障審議会年金数理部会)
厚生労働省追加提出資料(同上)
このあたりの試算は極めて専門的なので、私自身もまだ完全には理解できていません。ただ、ざっくりと理解した限りでは、それほど唐突な試算ではなさそうです(この点に関しては、いずれこのブログでもコメントしたいと思います)。それよりも強調したいのは、公的年金制度というのは、人口動態や経済情勢など常に変化する外部条件を前提にアップデートを続けることで持続性を確保する“生きた制度”だということです。
だからこそ、私たちの老後準備というのは、現行制度の中でベストを尽くす必要があります。なぜなら、将来の年金制度は予見不可能だから。もしかした今よりもっと素晴らしい制度に生まれ変わっているかもしれないし、逆にもっと厳しい制度に変質しているかもしれない。しかし、私たちが生きている時間の流れは止まってくれません。たとえ将来、もっと素晴らしい制度ができたとしても、その時には既に制度を活用する時間的余裕が残されていないかもしれないのです。
そういうことを考えれば、将来の制度がどのようになろうとも、今は現行制度の中でできることをやるというのが極めて大切になります。それが「自助」というものです。これが、私がiDeCoとう現行制度の中で使える制度をフル活用しようとしている理由です。そして、意識的かそうでないかは別にして、やはり同じように現実に対して処そうとしている人が増えているのではないでしょうか。iDeCo加入者は増加を続け、既に210万人を突破したというニュースを見て、そう感じました。
iDeCoの7月の新規加入者は4.88万人、加入者総数210万人突破(モーニングスター)
【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン 、マネックス証券確定拠出年金プラン 、松井証券確定拠出年金プラン 、イオン銀行確定拠出年金プラン
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iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。
iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。
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