“コロナ・ショック”による大暴落から約3カ月が経ちました。暴落で私の資産も大きな打撃を受けたわけですが、ここにきて株式市場は奇妙な上昇が続いており、かなり戻しています。そこで今回の“コロナ・ショック”の前後で私の資産がどのようい変動したのかを改めて確認したいと思います。
2019年12月から20年5月末までの6カ月間の資産推移を資産管理アプリ「マネーフォワードME」を使って確認したところ、次のようになりました(個別株が大きなウエートを占めますが、これにはETFが含まれているからです。また、年金はiDeCoです。金額は非公開)。
やはり2月後半から3月前半の減少がエグいです。いちばんひどいときは株式だけでなく債券も下落し、保有するすべてのリスク資産が含み損となりました。そして、こうしたグラフを見て改めて感じるのは、暴落というのは唐突に起こり、その下げスピードは想像以上に速いということです。このため個人投資家レベルでは暴落局面で機動的に資産を売り抜けて、損失を抑えるというのは想像以上に難易度が高い。ほとんどは下げのピークで売ってしまい、いたずらに損失だけを確定てしまうという結果になりがちです。
ところが暴落から約3カ月たって、株価は半値戻しの水準にまで回復しました。実体経済と乖離した奇妙な相場ですが、やはり世界各国の中央銀行が景気下支えのために空前絶後の金融緩和を断行した威力は絶大だったということでしょう。さらに個人的には暴落後に少しだけ個別株とETFを買い増したことも成功しました。なによりバイ&ホールド戦略を徹底して、通常通りに積立投資を続けていることで株価の回復スピードよりも資産の回復スピードの方が早いのです。
ここで面白いのは、相場の下げ速度と上げ速度の違いです。今回の株価の戻しはかなりハイペースですが、それでも下げスピードと比べると圧倒的に緩やか。これは大体の場合に当てはまる相場のパターンです。見方を変えると、下げ相場での売り抜けは容易でないのに対して、戻し相場での資金投入は比較的容易にできるということも意味します。これこそバイ&ホールドと暴落後の追加投資、あるいは定額積立を継続することが資産評価額の回復を早めることにつながる要因なのです。
もうひとつ、非常に重要な点にも気づくことができます。前掲のグラフはリスク資産だけの推移ですが、無リスク資産を加えた全資産の推移だとどうなるでしょうか。私は全資産の約半分を無リスク資産で持っていますが、それを含む全資産の推移は次のようになりました。
リスク資産だけのグラフとかなり印象が異なるでしょう。“コロナ・ショック”による資産の減少もかなり緩やかとなり、全体としてはそれほど大きな影響を及ぼしていないともいえます。この程度なら、多少の資産の減少でも心穏やかに過ごすことができるし、場合によっては少し追加投資してみようということにもなります。これこそが分厚い無リスク資産を持っておくことの効果です。無リスク資産こそが暴落に対する最後の“城壁”です。それは守りの要であると同時に、反攻の拠点にもなります。そして、分厚い無リスク資産を持てるのは、運用効率にこだわらなくてもよい個人投資家の最大の強みだということも、今回の“コロナ・ショック”のような暴落局面では一段と鮮明になるでしょう。
【ご参考】
銀行や証券の口座、クレジットカードを登録すると資産状況をリアルタイムで集計し、家計簿も自動的に生成してくれる資産管理アプリ「マネーフォワードME」は非常に便利です。無料登録だけでも十分に使えますし、有料会員になっても充実した機能に割高感はありません。私は有料会員として愛用しています。資産管理・家計簿アプリを探している人は導入を検討してみてもいいでしょう。⇒マネーフォワードME
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