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2020年4月26日

“ウィズ・コロナ”時代の情報発信―対面型営業の終わりの始まり



新型コロナウイルス感染拡大阻止に向けて外出自粛やソーシャルディスタンス政策が続いています。こうした状況は証券会社や運用会社の営業活動にも大きな影響を及ぼしています。従来のような対面型コミュニケーションが難しくなったからです。そうした中、いくつかの運用会社はインターネットを通じた情報発信に工夫を凝らしています。

コロナ対策で顧客訪問やセミナーがストップ、運用情報の発信に知恵を絞る運用会社(モーニングスター)

新型コロナウイルスの問題は、現在のの感染拡大がある程度収束しても、抜本的な治療薬やワクチンが開発されない限りは完全終息はしないでしょう。他の感染症同様に、何らかの形でウイルスと共存するしかないように思えます。そうなると、経済活動もある程度のソーサシャルディスタンスを前提としたものになるかもしれません。証券会社や運用会社も“ウィズ・コロナ”時代には今以上にインターネットを使った営業活動や情報発信が重要になるのは間違いなさそう。それは言い換えると、従来型の対面型営業の“終わりの始まる”かもしれません。

モーニングスターの記事では、日興アセットマネジメントや三菱UFJ国際投信、ピクテ投信投資顧問など大手運用会社や外資系運用会社の取り組みが紹介されています。また、記事には登場しませんが、セゾン投信やレオス・キャピタルワークス、コモンズ投信など直販系運用会社も動画を活用した積極的なWEB配信を実施しています。

こうした情報発信が、“ウィズ・コロナ”時代の“ニュー・ノーマル”になるのかもしれません。そしてこうした動きによって、個人投資家らからすると運用会社の“顔”が急に見えるようになっているのです。よく今後の運用会社のあるべき姿として“顔の見える運用”ということが言われてきましたが、皮肉なことに新型コロナウイルスの登場によって、期せずしてそれが実現しているわけです。こうした動きは今後、投資信託の販売構造を根本的に変えてしまうかもしれません。

従来、投資信託の販売というのは銀行や証券会社など販売会社による対面型営業が圧倒的な主導権を持っていました。このため、大手運用会社はわざわざ受益者に顔を見せる必要がなかったのです。ところが新型コロナウイルスの登場でソーシャルディスタンスが求められるようにあると、かつてのような対面型営業は難しくなる。

今後、投資信託の販売はますますインターネット販売へのシフトが進むはずです。そうなると受益者と相対するのは販売会社ではなく、運用会社になっていくわけで、やはりそこではインターネットを通じた情報発信で運用者の“顔”を見せることが求められるようになるはずです。

新型コロナウイルスの登場によって、あらゆるビジネスで方法の変革が加速することは間違いなさそうです。それは投資信託など金融商品の販売も同様でしょう。期せずして運用会社の多くが個人投資家と直接対話せざるを得なくなったことは、対面型営業の“終わりの始まり”のような気がしてなりません。



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